TOKYO WORK DESIGN WEEK 2017「働き方改革は給料の決め方改革」

(最終更新 2018/08/16)

11月17日から23日まで行われた働き方の祭典「TOKYO WORK DEGSIGN WEEK 2017」。「新しい働き方」や「未来の会社」にまつわる様々なテーマで、トークやワークショップが開催されました。

その中のトークセッション「働き方改革は給料の決め方改革」に、リモートワーク研究所所長の倉貫が登壇。「給料の決め方」に焦点を当てて、評価や組織の文化形成についてセッションしました。

ファッションデザイナー兼株式会社ウツワ代表取締役 ハヤカワ五味氏

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ファシリテーターは、ファッションデザイナーであり株式会社ウツワの代表取締役でもある、ハヤカワ五味氏。自身も経営者であるため、組織の文化を作る評価や、その指標のひとつである給料の決め方に非常に関心があるとおっしゃっていました。

日本初のホラクラシー企業 ダイヤモンドメディア株式会社代表取締役 武井浩三

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登壇者は、「管理しない」マネジメント手法を用い、日本初のホラクラシー企業として今注目を集めるダイヤモンドメディア株式会社代表取締役の武井浩三氏。

「給与・経費・財務諸表を全て公開」「役職・肩書を廃止」「働く時間・場所・休みは自分で決める」「起業・副業を推奨」「社長・役員は選挙と話し合いで決める」などその企業文化は独特。社員の給料は株式市場のように相場で決めているそう。それぞれのマーケットバリューがわかっているので、転職やステップアップなど自分自身のためのチャレンジがしやすくなりそうです。

面白法人カヤック人事担当執行役員 柴田史郎

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面白法人カヤックの人事担当執行役員・柴田 史郎氏。カヤックさんは、事業内容を「日本的面白コンテンツ事業」とし、ゲーム、広告、webサービスなどユニークなコンテンツを発信し続けるクリエイター集団です。

サイコロを振って、出た目の分だけ給料にプラスαされるという「サイコロ給制度」や、「寿司面接」など奇抜な取り組みで度々メディアに取り上げられるカヤックさんですが、給料の決め方は、「運」「社員の相互評価」「上司の評価」という3つの要素ですべて定量評価。全員にとって一番納得度の高い決め方を目指した結果だそう。会社や制度のユニークさがポップに取り上げられることが多い印象ですが、その実非常に冷静で論理的な考え方をしているのだなと感じました。

リモートワーク研究所所長兼株式会社ソニックガーデン代表取締役 倉貫義人

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そしてリモートワーク研究所所長兼、株式会社ソニックガーデン代表取締役の倉貫義人氏。ソフトウェア受託開発で、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しいビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。

全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営など様々な先進的な取り組みを実践。給料は全員一律という極めてシンプルな決め方で、評価そのものから社員も役員も解放するという大胆な手法をとっています。お金の心配をなくして目の前の仕事と顧客に向き合うことこそが大事、というポリシーは、ファシリテーターのハヤカワ氏も「クリエイター冥利に尽きる」と絶賛でした。

給料という突っ込んだ話題に会場も盛り上がる

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経営そのものや具体的な手当ての金額など突っ込んだ発言も飛び出し、オーディエンスもかなり前のめりです。経営や人事に携わる方も多く、質疑応答では、「年齢や経歴は採用のハードルになりうるか」「給料を設定する時、安心とモチベーションのバランスをどうしているか」などかなり具体的に実態に関わる質問も多く出ていました。

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話題は給料の決め方から評価の仕方、採用のポリシー、さらには経営者とは何か?などへ発展。登壇者同士もどんどん気になることは質問し合いながら議論が進みます。

柴田氏の「僕の考える基準を超えた中にいい人がいるかもという疑いを、絶えず持っておく」、武井氏の「会社を生命体のように捉える」、倉貫氏の「誰かに依存しない仕組みを考えることも経営者の仕事」など名言が飛び出す度に会場が沸いていました。

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セッション後の質疑応答でもオーディエンスからは多くの質問が飛び交い、盛況の中終幕。お疲れ様でした!

まとめ

最後にハヤカワ氏が「3社とも制度が人を呼んでそれがさらに制度を成立させていくという、正しいループになっている」と総括しておられましたが、今回登壇した3社とも、構成する人が納得する制度を組み立て、またそこに賛同する人が集まってその関係がうまく成立しているという印象でした。

組織と人の関係がうまく成立しているからこそ、そこに文化が生まれ、さらにスムーズに稼働していくのではないでしょうか。形は三者三様ですが、常に「どうすれば気持ちよく働けるのか?」を考えて制度を更新していくところは共通であり、それが働き方改革に繋がっているのだなと感じました。

【ボクらの働き方】倉貫義人(株式会社ソニックガーデン代表) × 田原真人(Zoom革命代表) × 武井浩三(ダイヤモンドメディア株式会社代表取締役)