一番パフォーマンスを出せる働き方を叶えるために、社員もインターンもリモートワーク 株式会社HRForce(後編)

約30人のインターンもリモートで

hr force

インターンの方もRemottyを利用されているそうです

HRForceさんでは学生インターンもリモートで働いていると聞きました。

渥美

はい。今は正社員だけで労働力を確保する時代ではないという考えで、採用目的ではなく、業務委託と同じような位置づけでインターンを雇っています。今年の3〜5月くらいにかけて10人くらい採用したのが1期生で、今は30人くらいになりました。

会社設立の翌月からすぐに、社員よりも多い数のインターンを採用したんですね。

渥美

優秀な方が多く採用できて、すぐに社員の人数を超えました。

優秀な学生さんは、どうして御社で働きたいと思うのでしょう?

渥美

1200円という高い時給、オフィスは東京駅近くで立地が良い、そしてリモートワークOKというこの3つの条件が揃うと無敵で、募集に対して10倍くらいの応募があるんです。

インターンでも、リモートワーク可というのは魅力になるわけですか。

渥美

最初のキャッチポイントは時給ですね。時給で「おっ!」と感じて、会社の場所を見たら東京の丸の内の一等地で、かつリモートワークOKという他にない条件もあって興味を惹かれる、という順番だと思います。そして、入ってみて「本当にリモートOKなんだ」と理解するような感じですね、学生の場合は。

インターンの業務内容は?

渥美

6月頃までは、企業様からいただいた求人情報を採用サイトの形式に合わせて入力する作業をしていました。その後、メディア事業を立ち上げることになり、その記事のSEOライティングがインターンの主な業務になっています。

それを、オフィスでやる人もいればリモートでやる人もいる、ということなんですね。

渥美

そうですね。可能なら1回目はオフィスに来てもらいますが、京都大学や同志社大学の学生なんかもいて、最初からずっとリモートということもあります。

皆さん未経験の仕事をするわけですから、教育が必要ですよね。リモートだと大変では?

渥美

かなり優秀な方が来てくれているので、教育のコストは低いんですよ。HRForceが何をやっているのかだけは最初に説明しますけど、あとはマニュアルもありますから、一気に走り出してもらって、やりながら覚えてもらいます。自由・自律がHRForceのインターンのテーマです。

業務上の指示や報告、質問のやりとりなんかはRemotty上でされるんですか?

渥美

はい。社員用とは別でインターン用のRemottyの環境を用意して使っています。インターンは、仕事をした日にRemottyに日報を書きます。僕がそれを見て、「どこかでつまづいていないか」といったことを確かめるのですが、結構順調にやってくれる方が多くて助かっています。

Remottyで質問が飛んできたりもしますか?

渥美

それもありますし、インターン同士で助け合ってやっていることも結構ありますよ。

それはいいですね。インターン同士の関係性もうまくいってるんですか?

渥美

チーム分けをしていて、そのチームで話し合って自主的にマニュアルを作る動きもあります。ただ、これはリモートワークの欠点かもしれないですが、インターン同士、必ずしもよく知り合えるわけじゃないんですよね。Remottyで「こういう人がいるな」ということは分かるんですけど、どんな人かまでは分からないので。だから、懇親会なんかもよくやりますよ。

Remottyについてはこちら

リモートOK、勤務時間は自己申告。サボれる環境が自立を促す

かなり順調ということですが、仕事の経験が少ない学生さんとなると、ひとりで考え込んでしまって進んでいない、ということもありませんか? 同じオフィスにいればその様子が分かるから、「大丈夫?」と声をかけてあげることもできます。リモートだとなかなか難しいですよね。

渥美

そうですね。インターンの方から言ってこなくても、なにか困っていることはないかとか、こちらから見に行くことはすごく必要だと思います。彼らが自走できるようになるまでは結構大変ですけど、リモートかどうかということはあまり関係ないと思います。日報を見ていれば大体分かるんですよ。

そうなんですか。

渥美

最近気づいたのは、週に3日以上来る子は伸びていきやすいということです。ノウハウが定着しやすいし、僕たちとコミュニケーションを取る頻度も上がりますからね。ドライブがかってどんどん出勤するようになる子がいる一方で、つまずいている子は出勤しなくなっていく、という傾向はありますね。

出勤日や時間は自由なんですか?

渥美

はい。週1で5時間以上からOKにしています。ただ、最初から週2以下だと続けていてもなかなかドライブしないと気づいたので、今度から週3以上で募集しようかと考えています。

時間の管理はどのようにされているんですか?

渥美

自己申告です。一応、事前に出勤表に入力してもらって、実際に勤務した時間は日報で報告してもらいます。

リモートだと、一日の中の空き時間で細切れに仕事をすることもできるわけですよね。それも合計何時間、と自己申告するわけですか?

渥美

そうです。慣れている子たちは、空き時間に大学の図書館なんかでどんどん進めていますよ。午前中に講義を受けて、午後は図書館で仕事して、また講義に出て、帰宅して夜ご飯を食べてもう1回仕事して……みたいな。そういう風にできるようになるのが理想ですね。

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インターンの方がカフェで働いている様子

記事を書くスピードは人によっても違いますし、テーマによってはすごく時間がかかったりしますよね。その時間をわざと過大に出すとか、そういうズルはないですか。

渥美

ないと思います。リモートはサボれる環境にも見えますが、それが逆に学生を自律させているように思います。

サボれる環境が、ですか?

渥美

サボる人は採用していないつもりですし、できあがった記事を見ればサボっていないことは分かるんですけどね。自律させるというのはつまり、リモートだと成果主義になりますよね。普通は会社に行くだけでお給料をもらえますが、うちはそうじゃない。成果で評価されるということを、インターンは肌で感じているんですよ。

成長するインターン、しないインターンの違いとは

インターンに求める成果というのは、どういうものですか?

渥美

結局のところ、書いた記事で「そのサイトに何人呼んでこられたか」、「滞在時間はどれくらいあったか」ということになります。

そういった数値の共有やフィードバックを行っているのですか?

hr force

日報もRemottyで

渥美

こちらからフィードバックするというよりも「ここにあるから、自分で見に行きなさい」というスタンスです。僕もびっくりするんですけど、教えていなくても周りのインターンから勝手に聞いて、自分で効果測定をして「なんで見られていないのか」みたいなことを日報に書いてくる子がいます。そうやって自分でPDCAを回せるように、環境が人を育てているという感じがしますね。

逆に、日報を見て「つまずいているな」と気づいた場合は、どういうアプローチをしていますか?

渥美

仕事を振ってもらわないと動けないというような”やらされモード”だとなかなかドライブしないですが、そういう子に頑張ってもらおうとすると逆にコミュニケーションコストが上がってしまうので、敢えて放っておきます。基本的には「自分で気づいてほしい」というスタンスですし、この仕事に向いているという人ばかりではないはずですからね。やってみてダメだったと気づけたなら、それも財産になると思うので。

仕事の内容には興味があっても、リモートでやるのは不安だとか寂しい、という人もいるかもしれませんね。

渥美

そうですね。例えば「社会人になったときに役立つ力を身に着けたい」といった、インターンをやる目的がきちんとある子は結構楽しめているんですよね。でも、「みんなが長期インターンに行っているから」といった曖昧な理由であったり、学業やサークルに比べてインターンの優先順位がすごく低い場合は、離脱して当然だと思います。

確かに、スキルを身に着けることが目的であれば、実践的な仕事ができて時給もよく、かつ場所も時間もかなりの自由度があるというのは、メリットに感じられるでしょうね。

リモートワーク導入は採用にも効く

会社の側から見て、インターンにもリモートワークを許可するメリットはどんなことがありますか?

渥美

海外留学生からも応募があったのは、すごくよかったですね。

実際に採用されているんですか?

渥美

アメリカやヨーロッパにいる人をたくさん採用しましたよ。2パターンあって、海外にいて日本の情報が全く入ってこない中で、「日本の企業もちょっと見てみたい」と応募してくるパターンがひとつ。もうひとつは内定先がもう決まっていて、「卒業するまで暇なので雇ってください」というパターンです。後者の場合、とても優秀なんですよね。

もう内定を獲得しているわけですからね。

渥美

そうなんです。そのパターンで、ブリティッシュコロンビア大学という東大よりもランキングが高いアメリカの大学に留学していた子がインターンをしていたのですが、他の内定先を蹴ってうちに入社することになりました。

すごい。いきなり新卒採用をするんですね。

渥美

採用のためのインターンではないので、そのつもりはなかったんですけどね。

リモートOKにすると東京以外の優秀な学生と出会うチャンスが広がるわけですね。日本国内の地方の学生からの応募も多いですか?

渥美

まだ、長期インターンをしようという意識の高い子が、地方にはあまりいないです。

なるほど。でも、地方にいてもそういうことを考え始める感度の高い学生が、これからやってくる可能性はすごく高いですよね。

渥美

絶対増えてきますね。だから、インターンを1000人くらいまで増やそうかな、と思っています。

1000人! HRForceさんとしては、正社員を増やしていくと言うよりは、インターンや業務委託のような緩やかな雇用関係で事業を拡大していくというイメージなんですね。

渥美

はい。これからは人口が減って内需が減るという話があって、そうなると労働力をシェアしていかなければいけませんよね。それに、これまでは年功序列型でどんどん給料を上げていったわけですけれど、そうやって長期にわたって従業員を拘束し続けるというのは時代の流れにあいません。今は職能型、つまり「何のジョブができるのか」にフォーカスを当ててお金を払う方が費用対効果が高いということは、もう分かっていることですからね。

学生さんは、新卒一括採用を始め、まだまだ古い形の雇用関係をイメージして自分のキャリアを考えている人が多いのではないかと思います。でも、HRForceさんでインターンをすると、そういう考え方も変わっていきそうですね。

渥美

それは間違いなくあるでしょうね。インターンでリモートを経験しちゃうと、「え、リモートできないんですか、この会社?」という感覚になるんじゃないですか(笑)

古い働き方の会社に行くのは、しんどくなっちゃいそうですね。

渥美

でも、企業の方も気づいてほしいんですよね。僕らはindeed(求職情報の検索エンジン。前編参照)の広告代理店をやっているので、求人のデータがめちゃくちゃ集まってきます。それを見ていると「リモートワーク」や「在宅勤務」というキーワードでの検索ボリュームがものすごく増えているんです。だから僕らのお客さんには、可能であれば”リモートワークOK””在宅OK”という文言を入れることをおすすめしています。

そうした方が応募が増えるんですね。

渥美

そうなんです。しかも、優秀な人が応募してくれます。例えば「小さいお子さんが急に熱を出したらリモート勤務OK」と書いておくだけで、応募者のレベルが変わります。そういう部署がひとつでもあれば、そこがフックになってその会社への検索流入がどんどん増えていきます。だから、スモールチャレンジでもいいのでリモートワークを始めるのが、経営戦略上もとても重要なんです。

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取材後記

親会社からの独立を機に働き方を一気に変え、リモートワークをうまく取り入れられたのは、きっと柔軟かつ合理的で、自律した方々だからだろうと感心しました。
働く場所、時間が自由なインターンというのも驚きですが、色々なことにチャレンジしたい優秀な学生さんには確かに合っていそう。インターンが1000人規模になったらどうなるのか、そのときにはまた取材させていただきたいです!

 

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やつづか えり

コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018.3)。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。各種Webメディアで働き方、組織、ICT、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。

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