目的は売上を10倍に伸ばすため。ガイアックスで実践してきたリモートワークの導入プロセスと得られた成果

自己紹介

はじめまして、管です。今年からガイアックスの本部長と事業部長を兼務しています。

弊社では、3年以上前からリモートワークを推奨してきており、今では特別な制度ではなく、当たり前の働き方になっています。家族のサポートのために地方の実家に戻って仕事をするメンバーもいますし、私自身も今年から海外を旅しながらの生活を始めました。

本連載では、弊社でリモートワークを推進する中で得られた知見や成果についてお伝えします。特に、リモートワークを推奨したいと考えている経営者、管理職の方に読んでいただけますと幸いです。

売り上げ10倍のために、リモートワークを開始

リモートワーク導入のきっかけは3年前でした。

私が事業部長になった当時、掲げた目標は「3年間で売上を10倍にする」というものでした。ただ、それまでの数年間の業績は横這いだったので、従来のやり方を続けても目標達成できないのは明らかでした。

非連続な成長を成し遂げるためには、メンバー全員のパフォーマンスを最大限引き出す必要がある。そう考えてまず取り組んだのが、労働環境の改善です。それぞれのメンバーに、仕事をする上でストレスになっていること、変えてほしいことをヒアリングしました。

・毎朝1時間以上かけて通勤するのが辛い
・朝よりも夜の方が集中できる
・子供の体調が不安定なので、できれば近くで仕事をしていたい

など、働く時間と場所の制限に関して、ほぼ全てのメンバーが不満を抱えていることがわかりました。そこで取り入れたのがリモートワークです。出社義務をなくし、月2万円を上限とするリモートワーク補助制度も作りました。

私たちがリモートワークを導入した理由は、働き方改革をするためではなく、目標を達成するためだったということをまずお伝えしておきたいと思います。

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どのように社内を説得したか

それまでリモートワークの制度はガイアックスにはありませんでした。そのため、制度導入のために社内を説得する必要があったのですが、その際に握ったのは一つだけ。「3年で売上を10倍にすること」だけです。

この高い目標を実現するためには、従来のやり方を変え、いくつもの新しいチャレンジに取り組む必要がある。そのためには、メンバーのパフォーマンスを最大限引き出す必要があり、その一つの手段としてリモートワークを導入する。

当時、リモートワーク以外にも、クラウドソーシングの活用やボーナス制度の導入、休暇制度の改善など様々な施策を取り入れました。ガイアックスに存在しなかった制度をいくつも提案したのですが、この時上司から「やり方は全て任せる。結果を出してくれればそれで良い」と言われ、一つも否定されず全て承認してもらえたのには驚きました。「ここまで信頼してもらえているならば、なんとしても結果を出す。」と決意を新たにしたことを覚えています。

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「習慣化」までコミットすべし

新しい制度を導入したものの、機能せずに自然消滅してしまう…ということを経験した人は少なくないかと思います。新しい制度は作るだけでは意味はなく、活用してもらうことで初めて意味を成します。ですので、会社としても、作っただけで満足するのではなく、習慣化されるところまでサポートすることが必要です。

実際に私たちの組織でも、リモートワークを導入後、ほとんどの社員が引き続き出社していました。当時は私以外全員中途社員で、毎朝出社する習慣が身についています。会社で仕事がしたい、ということであれば何も問題ありません。そうではなく、本当はリモートワークを実践したいのに、「本当に出社しなくて良いのか」「リモートワークをしたら他のメンバーに何か言われてしまうのではないか」という状態であれば、その不安を解消すべきです。

どうすればメンバーの不安を払拭できるのか。最も効果的だった施策は「座席数を3分の1に減らすこと」でした。新しい制度を使いやすくするためには、利用するための「言い訳」が重要です。「会社に行っても席がないので」という言い訳を作ってから、リモートで働くメンバーが一気に増えました。

ガイアックスでは、制度を作っただけで満足するのではなく、狙った効果を得るために浸透させるところまでコミットする、ということを大事にしています。

リモートワークによって得られた成果

大きく変化したのは、「当たり前」の感覚です。制度を導入するまでは「出社すること」が当たり前だったため、リアルの場で集まって会議をする、というのも普通の光景でした。それが、リモートワークを導入すると「出社しないこと」が当たり前になります。そのため、リアルでの会議を実施したい場合、主催者は事前のアジェンダ設計やリアルで実施する意義を伝える必要がでてきます。結果として、「その会議、わざわざ集まる必要ないですよね?」という声が増えて必要のない会議が精査されたり、逆にリアルの会議はわざわざ出社するわけなので、会議の質が上がりました。このように、「会わなくてもできること」と「会わなければできないこと」の理解が深まり、効率も質も高まったのは一つの成果です。

リモートワークで培ったコミュニケーションは、クラウドソーシングの活用においても役立ちました。オンラインでのコミュニケーションスキルが鍛えられ、実際にお会いしたことのない方へテキストで仕事を依頼するスキルが自然と高まったためです。今では毎月1,000時間近くの業務を発注していますが、リモートワークを推進したおかげで、クラウドソーシングの活用も効率よく進んだと実感しています。

意外だったのは、メンバー同士が以前よりも仲良くなったことです。リアルで会うことの希少性が高まっていくにつれて、コミュニケーションの質が高まっていきました。誰かと話したくて出社するメンバーがいたり、毎月開催している食事会への参加率が大幅に上がったりと、リモートワーク導入後の方が他愛もない会話が増え、関係性がよりいいものになったのは想定外の効果でした。

2019年の働き方チャレンジ

今年は、週一で実施していたリアルの場での定例会議を、zoomを活用したオンライン会議に変更しています。30人規模でのオンライン会議には不安もありましたが、ブレイクアウトルームを活用した小部屋に分かれてのディスカッションなど、ツールをうまく活用すればこれまでと同様に問題なく実施できると感じています。

また、社内会議だけでなく、クライアントとの打ち合わせも徐々にオンラインに移行しています。訪問をなくすことによって、移動コストが削減され、代わりに打ち合わせ回数を増やすことに投下する。こうすることでPDCAサイクルを高速化でき、より成果に繋がりやすいご支援ができるのではないかと考えています。

そして本部長である私自身も、生活の拠点を国外に移し、海外リモートワークにチャレンジしています。海外リモートワークには、パフォーマンスをさらに高める可能性が眠っていると思っているのですが、それはまた別の機会に。

管理しない管理職。1人の新卒のために、家を捨てる。

いつかの映画の話だ。その映画ではレインボーブリッジを封鎖できないとか、カーキ色のモッズコートを羽織った主人公が叫ぶシーンが誇張して使われていた。ただ、自分はそれとは別のセリフがいまだに脳裏に焼き付いて離れない。「リーダーが優秀なら、組織も悪

私は「生き方に合わせた働き方を選べる社会」を実現したいと思っています。それぞれのメンバーが自分のライフプランを大切にし、自分にカスタマイズされた働き方を実践することによってパフォーマンスを高め、世の中に貢献する。まずはこれを自分たちの組織で体現すべく、引き続き頑張っていきます。

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この記事を書いた人

管大輔
管大輔

株式会社ガイアックス ソリューション事業本部 本部長。2013年新卒入社。3年目に事業部長に就任。部の改革に取り組み、就任当時約40%だった離職率は0%、売上は5倍にまで伸長。今年から本部長に就任。プライベートでは家を解約し、毎月住む国を変え、海外を旅しながらの生活を実践中。

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