「アーティストになりたい=上京する」を覆す!〜株式会社クレオフーガ(前編)

リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、「リモートワークは普通!」になっている会社を紹介していきます。今回は、音楽SNS「CREOFUGA」や、音楽マーケットプレイス「Audiostock」を運営する、株式会社クレオフーガ様にお話を伺いました!

音楽をweb上で売買したり、投稿したり、全国のアーティストたちの活動をwebを使ってサポートするサービスで、音楽業界の発展の一助となっているクレオフーガさん。地方からでも才能を発揮できる仕組みづくりにも尽力されています。岡山本社と東京事務所の2拠点でリモートワークを積極的に取り入れています。

社内でのコミュニケーションの取り方や、音楽業界のこれからについてのアイディアなど語って頂きました!


西尾周一郎

西尾周一郎にしお しゅういちろう

株式会社クレオフーガ 代表取締役社長
1982年岡山県出身。幼少期からエレクトーンを習い始め、学生時代には音楽制作活動に熱中。大学在学中2007年に音楽サービスを提供する株式会社クレオフーガを設立し
「音楽を生み出す人をハッピーにする」を理念として、ストックミュージックサービス「Audiostock」等の開発運営を行う。
宮崎 貴恵

宮崎 貴恵みやざき きえ

株式会社クレオフーガ 広報
東京オフィスにて2016年より学生アルバイトとして勤務後、2017年に正社員として入社。一年間の顧客サポート業務を経て、現在は広報を担当している。
小西 雅也

小西 雅也こにし まさや

株式会社クレオフーガ エンジニア
2004年にSI系のシステム開発会社に入社。2008年以降に自社のWebサービスを開発・運営する会社を2社転職して、2018年にクレオフーガへ入社。現在は岡山県で在宅勤務をしている。RailsによるWebアプリケーション開発と、AWS上のインフラの運用や整備を担当している。

「アーティストになる=上京しなきゃ」を打ち壊したい

それではまず事業内容を簡単に教えてください。

西尾

はい。私ども株式会社クレオフーガの今の主力事業は「Audiostock」というサービスで、音楽の使用権を売買できるマーケットプレイス型のサービスとなっています。事務所に所属してないような作曲家、アーティストや、バンドさんが登録した作品を、弊社のサービス上でお預かりして、企業さんに販売します。
作品を買うのは主に、映像制作会社さんや広告代理店さん、コンテンツ制作会社さん、あとはテレビ局ですね。

あとは「CREOFUGA」もありますね。

西尾

そうです。そちらは創業時からの事業になりまして、音楽コンテストサービスですね。いわゆる投稿サイト、音楽を使ったSNSですね。コンテストをメインにやりつつ、クリエイターの方が、自由に好きなタイミングで自分の作品を公開できるというサービスです。

ありがとうございます。今、宮崎さんと西尾さんは同じブースにいらっしゃるんですね。こちらは東京の事務所ですか?

西尾

そうです。

CREOFUGA

東京と岡山に事務所があるとお聞きしましたが、最初は岡山で事業を始められたんですよね?現在はどういう体制になっているんですか?

西尾

もともと私の地元である岡山で創業しまして、今も岡山が本社になっています。ただ、音楽を売るという事業の性質上、やっぱり東京に行ったほうが効率がいい面も正直ありまして、2012年に東京オフィスを構えました。
私や宮崎も、今は東京で働いてます。今日のインタビューのメンバーである小西は岡山で働いています。岡山は本社兼開発拠点、東京は営業や広報の拠点という、ざっくりとした役割分担になってます。

なるほど。やっぱり東京のほうが音楽の仕事をするのに都合がいいんですね。

西尾

そうですね。僕らのお客様である映像制作会社さんやテレビ局さんは、どうしても首都圏が多いです。あとはレコーディングもやるんですが、いい作品を作るためにはプロのミュージシャンをお招きすることになります。そういう方々は首都圏在住の方が圧倒的に多いので、東京の方が動きやすいですね。

ミュージシャンになろうとすると、「東京に行く!」っていう概念がなんとなくできてますもんね。

西尾

そうなんですよね。そういうのを覆していきたいというのが、僕らのサービスのコンセプトとしてあるんですけど、現状いろんなものが集中してる「東京の良さ」というのも当然あるので、そこはそこでうまく活用していきたいと思っています。

やっぱり東京に一度集中しちゃったものを急に分散させるのは、難しいですもんね。

西尾

そうなんです。

ネットがますます発達すれば、これからはもっと「どこにいても同じ」になっていきますよね。クレオフーガさんのサービスもその一助になると思います。

西尾

ぜひそうしていきたいなと思っています。

創業当初から、事務所に縛られる概念はなかった

リモートワークを導入したきっかけは、東京に拠点を分けたことですか?

西尾

そうですね。社員が「今日ちょっと動けない」みたいな日は、スポットで許可するということは以前からありました。でも決定的だったのは、今おっしゃっていただいたように、東京にオフィスを構えることと、あとは岡山の中でも高梁市というちょっと遠いところに在住してる開発メンバーがいたこともあって、「全部会社としてOKにしよう」ということにしました。

その、岡山の中でも遠方にいらっしゃった方っていうのは、遠方にいらっしゃるということが分かっていて採用されたんですか?それとも、途中からそちらにお引越しされたんですか?

西尾

入社してからですね。実家が高梁市なのでそこに戻りますということで。それで毎日通うのは結構大変なので、「週に1回はオフィスに出勤、それ以外の日はリモートで」ということにしました。

会社が立ち上がった頃から、特に事務所に縛られる概念は強くなかったんですね。

CREOFUGA
西尾

そうですね。そもそも人数も少なかったですし、創業当初はもう僕だけでしたし(笑)。僕自身もカフェとかで仕事するのは好きなので、そもそも抵抗はないというか、むしろ積極的でした。

最初から柔軟な考えだったからできたことですよね。会社が大きくなって出来上がってしまってからだと、結構そこに踏み切るのは難しいっておっしゃる方がすごく多いので。

西尾

確かにそういう意味ではそうかもしれないですね。

会社のフェーズによって全然必要とされるものが変わってきます。今でも大企業に比べるとルールは少ないですし、制度的なものもないようなものですけど、人数が増えてくると、どうしてもそのあたりの設計をしていかなきゃいけない。
今、信頼関係ができているので、リモートワークも各人の裁量に任せていますが、もうちょっと人数が増えてきたら、ちゃんとルールというか制度を作らなきゃいけないのかもしれないですね。

それでも制度は最小限のほうがいいなとは思ってはいます。あればあるほど、窮屈になりますので。もちろんあった方が良い制度もありますので、みんなが働きやすいように、人数規模とか、社風とかに合わせながらその都度設計していきたいなと。

誰でも申告さえすれば、いつでもリモートワークOK

小西さんはエンジニアとして、岡山のご自宅からリモートワークをしているそうですね。リモートワークを始めたきっかけというのはありますか?

小西

はい。今年から子どもが2人とも小学生になりまして、預かり保育があった幼稚園時代よりもずっと帰りが早くなってしまったんですね。妻も働いていますし、預かってくれるところは結構お金がかかるので、僕が家にいれば、その辺りを柔軟に対応できるのではないかと思ってリモートに切り替えました。

CREOFUGA

じゃあ、最近始められたんですね。

小西

そうですね。僕は今年の3月に入社したんですけど、最初からそういう形で、週に1回だけオフィスに行っています。

採用の段階でもう「リモートにしたいんですけど」と相談したんですか?

小西

そうです。OKを頂けたので、それもあって入社しました。

今、岡山のメンバーは、どの程度リモートなんですか?

小西

現在、岡山に開発スタッフが4名いるんですけど、3人は基本毎日出社してます。リモートをしてるのは、私だけですね。

場合によっては、出社してる方もリモートを使うということもあるんですか?

小西

それもあります。予定がある日は「今日は1日リモートにします」と連絡する形でやってます。

なるほど。東京の方は、どういう感じになってるんですか?

西尾

東京は基本的には出社が前提ですかね。コミュニケーションが多いので。やっぱりエンジニアはリモートワークをしやすいですね。

そうですね。

西尾

顧客サポートとか、営業とかは、どうしてもオフィスの方が都合のいい業務が多くなりますね。でも、何かある時は、「じゃあ、午前中リモートで」というように柔軟に対応しています。

ちょうど今、役員のひとりに3人目の子どもが生まれて、まさに今日は奥さんの実家の広島でリモートワークをしてます。
なので、さっき小西さんも言ってましたけど、事前に共有さえしてもらえれば、特に問題はないので、やりやすいようにやってもらっています。

東京・岡山間もそうなんですが、リモートワーカーとオフィス間のコミュニケーションツールは何を使ってらっしゃいますか?

西尾

うちはテキストベースだとChatWorkです。社内の雑談部屋というChatWorkのスレッドがものすごい更新されてるんですけれど。

(笑)

西尾

もちろん業務ごとにも部屋があって、そこでコミュニケーションしているのと、Zoomも、会議にはよく使っていますね。エンジニアのメンバーだとDiscordも使っていて、開発メンバーはほぼ繋がったまま、打ち合わせしながらコーディングしたりしてます。コミュニケーション自体ほぼオンライン上で行っています。

よくリモートワークをするにあたって問題にされるのが情報の共有に関してなんですけど、ペーパーレス化とか、そのあたりも意識していらっしゃいますか?

西尾

そうですね。商品自体も音楽データがほとんどですし、基本的に社内の業務データもクラウドで管理しています。それこそ小西さんがうちのインフラ担当でもあるんですけど、社内整備やセキュリティの面もあるので、なるべくローカルに保存せずにクラウド上で管理するというのは、ここ1年でだいぶ進みました。

後編に続く

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この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。