Microsoft Teamsとは?機能や料金プラン、Skypeから移行方法を徹底解説

Skype for Businessの後継サービスとして注目を集めているMicrosoft Teams。社内で必要なコミュニケーションがMicrosoft Teams 1つですべて完結するといわれています。今回は、Microsoft Teamsで提供する主な機能、類似ツールとのちがい、料金プラン、Skype for BusinessからMicrosoft Teamsに移行する方法をご紹介します。

Microsoft Teamsとは?

Microsoft Teamsとは、一言でいうと「Office365で利用できるチャットツール」です。ただし、Microsoft Teamsに搭載された多彩な機能は、単なるチャットツールにとどまりません。オンライン会議、ファイルの共有・共同編集、プロジェクト管理などの社内で必要なコミュンケーションがスムーズに行える機能が豊富に含まれています。

従来の電話やメールを使った連絡手段と比べて、場所を問わず社員同士のコミュニケーションがスムーズに行えるため、リモートワークを導入予定の企業から注目を集めています。

2018年8月にMicrosoftはSkype for Businessの機能をMicrosoft Teamsに移行することを発表しました。Skype for Businessの主な機能はIM(インスタントメッセンジャー)、音声、Web会議の3つ。Microsoft Teamsは、Skype for Businessのコミュニケーションの機能を強化した後継サービスとなります。

Microsoft Teamsが提供する主な機能

Microsoft Teamsで提供される主な機能をご紹介します。

チャットメッセージ

チーム内の複数メンバーとのチャットに加えて、チーム内の1人のメンバーと1対1でチャットのやり取りも可能です。

Skype for Businessとちがい案件ごとにチャットの内容が分かれているため、自分が通話したいメンバーのチャットに自由に参加できます。Microsoft Teamsのチャットはオープンな掲示板をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。

さまざまなツールをタブとして追加できるところもMicrosoft Teamsならではの特徴。具体例をあげると、OneNoteをタブに追加することで、たまったチャットメッセージのやり取りを整理して保存できます。

オンライン会議

Microsoft Teamsでは、ビデオ・音声・Web会議とオンライン会議が行えます。チャットをはじめ、会議中にノートの記録、デスクトップ画面の共有、ファイルのアップロードなど豊富な機能が含まれています。

Microsoft Teams上で会議のスケジュール登録もでき、登録した予定は自動的にOutlookに反映されます。取引先など社外のユーザーもゲストとして招待できます。会議の内容を録画・録音も可能です。

ファイル共有・共同編集

テキスト、画像、動画ファイルをMicrosoft Teamsにアップロードして他のメンバーと情報共有が行えます。アップロードしたファイルはそのまま編集できます(Officeソフト限定)。ファイルの編集はアップロードした人だけでなく他のメンバーとの共同編集も可能です。

オンライン会議中に共同編集したファイルをそのまま議事録にできるので、会議後に時間をとって議事録を作成する必要はありません。

チーム作成・プロジェクト管理

必要なメンバーだけを追加してチーム内の共有トピックが作成できます。Microsoft Plannerと連携することでMicrosoft Teamsでプロジェクトの進行管理を行うことも。

案件ごとに作成したプロジェクト内でタスク・サブタクスを作ることで、効率よくプロジェクトの作業管理ができます。

他のツールとの連携

Office 365で提供されるWord、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションだけでなく、他社製品のタスク管理ツール、開発者ツール、SNSなどとも連携できます。

 Microsoft Teamsと連携可能な代表的なツールを表にまとめてみました。

ツールの種類 ツール名
開発者ツール Bitbucket
Bitbucket Server
Github
GitHub Enterprise
Jenkins
プロジェクト管理 Aha!
Trello
SNS Facebook
Twitter
Yammer
ワークフロー+ビジネス管理 Biztera
人事 + 採用 Bizzy
販売 + マーケティング Dynamics 365
デザインツール Adobe Creative Cloud
電子署名 Adobe Sign
分析ツール Google Analytics

Skype 、Slackなど他製品とMicrosoft Teamsのちがい

Microsoft Teamsと似たような機能を提供しているツールは他にもあります。よく比較される類似製品とMicrosoft Teamsの機能や料金プランのちがいを表にまとめてみました。

  Microsoft Teams Skype for Business Slack Chatwork
チャットでのメッセージのやり取り
文章のスレッド化
ゲストの参加
(有料版のみ)
ビデオ通話
(有料版のみ)
内部でのファイル管理
(アップロードのみ)
複数チームの作成
(チャットルームで対応可能)

(複数チャンネルは作成可能)

(グループチャット作成で対応可能)
他ツールとの連携
価格(有料版最安値)※ 1ユーザー
540円/月
1ユーザー
870円/月
1ユーザー
6.67$/月
1ユーザー
417円/月
(年間契約)
無料版提供
※法人ユーザーの料金プランの最安値

Microsoft Teamsの料金プラン

Microsoft TeamsはOffice365に含まれるサービスであるため、既にOffice365を導入済みの企業は無料で使えます。

Office365を導入していない企業に対して、次の3つの料金プランを用意しています。

プラン名 ユーザー上限数 個人ユーザーのストレージ容量 共有ストレージの容量
無料(無期限)
Microsoft Teams 無料(プレビュー)
300 2GB 10GB/ユーザー
¥540ユーザー/月相当
(年間契約)
Office 365 Business Essentials
300(※) 1TB 1テナント(企業・契約)あたり1TB + 500GB × ユーザー数
¥1360ユーザー/月相当
(年間契約)
Office 365 Business Premium
300(※) 1TB 1テナント(企業・契約)あたり1TB + 500GB × ユーザー数
※有料版は上位プランのOffice365 E1、E3にすれば300ユーザー以上利用可能

全プランで使える機能

全プランで次の機能が使えます。

  • Webブラウザでの利用
  • デスクトップアプリケーションのインストール
  • 無制限のメッセージと検索
  • ゲストの招待
  • Word、ExcelなどOfficeソフトをTeams内で利用
  • 画面共有
  • 1:1 とグループのオンライン音声/ビデオ通話
  • チャネル会議
  • 海外での利用(150以上の国や地域、35以上の言語)
  • 140を超える統合されたアプリとサービス
  • 地域に基づくデータ所在地
  • 保管中と転送中のデータの暗号化

有料プランでしか使えない機能

有料プランにすると次の機能が使えます。

  • Outlookと連携した会議
  • 事前にスケジュールを設定した会議
  • OneDrive、SharePointなどOffice365のサービス利用
  • 会議の録画・録音
  • 電話を使った通話と電話会議(1360円プランのみアドオンで使用可能)
  • 他要素認証を全ユーザーに強制
  • ユーザーとアプリを管理するためのツール(1360円プランのみ使用可能)
  • Office365サービスの使用状況レポート
  • 稼働率99.9%と返金制度をSLAで規定
  • ユーザー設定とポリシーを構成可能

お試しで使える!無料プランの始め方

導入を考えている方はまずは無期限で使える無料プランを試しに使ってみて、有料プランに切り替えることをおすすめします。

無料プランを使ってみたい企業は、次の手順を参考にしてみてください。

1.Microsoft Teamsの公式サイトにアクセス。

2.画面左側の「無料でサインアップ」をクリック。

3.「メールアドレスを入力してください」にMicrosoftアカウントを入力して「アカウントの設定」をクリック。

Microsoftのアカウントを持っていない人は登録前にMicrosoftアカウントを作成してください。

4. パスワードを入力して「サインイン」をクリック。

このあとに指紋認証画面が表示されますが、ここではキャンセルして「次に」進んでいます。

5.以下を入力して「次へ」をクリック。

  • 姓と名
  • 会社名
  • 国または地域

6.しばらくすると画面が切り替わって「 代わりにWebアプリを使用」 画面が表示されます。メッセージに従ってMicrosoft Teamsを使ってみましょう。

Skype for BusinessからTeamsに移行する方法

Skype for BusinessからMicrosoft Teamsに移行する方法は、「Microsoftによる自動アップグレード」と「システム管理者や販売店(パートナー)による手動アップグレード」と2種類あります。

Skype for Businessの契約プランによりアップグレード方法が異なります。

Microsoftによる自動アップグレード

自動アップグレードの対象となるのは、Skype for Businessのユーザー数が500未満で、次のOffice365パッケージプランを使っている企業です。

  • Office 365(Business Premium/Business Essentials/E1/E3/E5/F1
  • Microsoft 365 Business/E3/E5/F1テナント

自動アップグレードの対象となる企業には、アップグレードの30日前に次の方法で通知が届きます。

  • システム管理者のメールアドレスに「自動アップグレードの通知」を送信
  • 管理ポータルのメッセージセンターに自動アップグレードの通知

通知を受け取ったら、自動アップレードを希望する企業はそのまま自動アップグレードの日を待ちましょう。

自動アップグレードを延期したい企業は、MicrosoftのサポートもしくはSkype for Businessの販売店(パートナー)に連絡してみてください。

システム管理者、販売店による手動アップグレード

下記契約のSkype for Business導入企業は自動アップグレードの対象外です。

  • Skype for Businessのユーザー数が500以上
  • Skype for Business Onlineの単体サービスを利用
  • 電話機能を使っているSkype for Business Online導入企業
  • オンプレミスのSkype for Business Serverとのハイブリッド環境でSkype for Businessを使う企業

導入企業のシステム管理者もしくは、導入企業の販売店(パートナー)が手動でSkype for BusinessからMicrosoft Teamsにアップブレードしなければなりません。

手動でアップグレードする場合は、Microsoft公式サイトのアップグレード方法を参照するか販売店(パートナー)に相談してみてください。

まとめ

Skype for Businessの後継機と位置づけられているMicrosoft Teams。チャットやオンライン会議だけでなく、ファイルの管理・共有、会議のスケジュール管理など社内コミュニケーションで必要な作業をMicrosoft Teams 1つで完結できます。

リモートワークで社内コミュニケーションに使うツールが決まっていない企業は、Microsoft Teamsの無料版を試してみてはいかがでしょうか。想像以上にサクサクとコミュニケーションが取れるかもしれませんよ。

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この記事を書いた人

日野 珠希

フリーのライター。SIerでシステムサポート、制作会社で編集ライター、ベンダーで社内システムの運用業務を経て、今は家で働いています。実務経験を活かしてパソコン、インターネット関連、転職などビジネスマン向けの記事を中心に執筆しております。