在宅勤務って、社会保険に加入できるの?〜チェックすべき7つの要件〜

社会保険、どんな種類があるの?

会社員の生活を保障してくれるのが「社会保険」。具体的には、労災保険・雇用保険、健康保険・厚生年金のことを指します。それらは事業所・労働者それぞれに加入条件が定められており、様々な条件で加入の可否が決まります。

各保険について、少し整理しておきましょう。

労働者災害補償保険

労働者が、通勤時や業務時間中、または業務上の理由で怪我を負ったり病気にかかったりした場合に、その生活を補償するための制度です。
会社に所属する労働者は全員加入する義務があります。

雇用保険

労働者が失業して所得がなくなった場合に、失業給付などを支給し、一定期間の生活を保障する保険です。

週所定労働時間が40時間以上
週所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある
(雇用期間の定めがない、または31日未満の契約を更新する可能性がある場合を含みます。)

上記に該当する労働者は全て加入の義務が生じます。(雇用時に満65歳以上の労働者は加入することができません)

健康保険・厚生年金保険

健康保険は、健康保険法に基づき、怪我や病気の際の医療費等を保障するものです。厚生年金は、基礎年金となっている国民年金に上乗せされて給付される年金です。規定の年齢になると、厚生年金保険の受給額が加算され、合計金額を毎月もらうことになります。

常時使用されている
週所定労働時間および月所定労働日数が、常時使用されている従業員の4分の3以上

上記に該当する労働者は全て加入の義務が生じます。ただし、雇用期間が2か月で契約更新の可能性がない場合を除きます。

在宅勤務者はどんな保険が使える?

会社に社員として所属していて、在宅勤務の許可がある場合は問題なく社会保険対象になるはずです。加えて以下の7つの要件を押さえておく必要があります。

① 指揮監督系統が明確なこと
② 拘束時間等が明確なこと
③ 各日の始業・終業時刻等の勤務時間管理が可能なこと
④ 報酬が、勤務した時間または期間を基礎としていること
⑤ 請負・委任契約ではないこと
⑥ 事業所勤務労働者と同一の就業規則等の諸規定(その性質上在宅勤務者に適用できない条項を除く。)が適用されていること
⑦ 労働者名簿を作成しておく

特に在宅勤務者が所有しているパソコンを仕事で使用すると、請負契約(外注)とみなされる可能性が高くなります。私物のパソコンを使う場合は、あらかじめ会社側とその旨の合意を得るようにしておきましょう。また、インターネット料金や備品類も本人負担ではなく、会社がその購入費を負担する必要があります。業務委託とみなされないように、あくまでオフィスで仕事をする時と同じ環境条件にしておくことが必要です。

また、雇用保険加入時に、「在宅勤務者の雇用実態証明書」が必要になる場合もあります。常時在宅勤務を認める場合、会社側は在宅勤務者もオフィス勤務者と変わらない社員であると証明できる用意をしておきましょう。

短時間労働者も加入対象に

平成28年10月1日から、パート・アルバイトなどの短時間労働者の加入条件が変わり、対象者が拡大されました。在宅であっても、パート・アルバイトとしての雇用契約が交わされていれば、当然対象となります。こちらの条件もチェックしておきましょう。

従業員501人以上の事業所

下記すべての条件を満たす場合、被保険者となります

  • 週所定労働時間が20時間以上
  • 月収が88,000円以上
  • 1年以上引き続き雇用される見込みがある
  • 学生ではない

従業員500人以下の事業所(平成29年4月1日以降)

下記すべての条件を満たす場合、被保険者となります

  • 労使の合意がある
    従業員(前項4つの条件を満たす者・すでに被保険者である者)の過半数の同意を得て、事業主が加入申請をします。
  • 前項4つの条件を満たす

在宅勤務でも、社員なら社会保険の対象です。

在宅勤務とは、あくまで「仕事をする場所が会社ではない」というだけで、労働者として採用されていれば、オフィス勤務者となんら変わりはありません。社会保険は労働者を守る社会保障です。雇用する側も、される側もその点に留意して加入を怠らないようにしましょう。

在宅勤務でも社員であれば社会保険が適用されることがわかりました。では、在宅勤務者の労災はいつ使えるのでしょうか?詳しくは次の記事で。

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