テレワークをうまく回すために管理職がとっておきたい態度について

浸透するリモートワーク。なんとか慣れてきたのも束の間、今度はこのまま維持していけるのか…?という不安が芽生える時期。テレワークでのチーム運営を円滑に進めるために必要なのは、個人の意識改革と環境整備、それから管理者の采配です。今回は、リモートワークを上手に進めるための管理者の意識について、お話しします。

管理とマネジメントは違うということを認識する

マネジメントはうまく回したりやりくりすること。管理はそのために統制すること。

日本語にすると混同してしまいがちですが、マネジメントとは「成果をあげること」が目的で、そのために「なんとかすること」「やりくりすること」を意味します。一方で、管理は、統制したり、基準から外れたりしないように部下の行動を制限するという、ひとつの手段に過ぎません。

古代からの労働集約で単純労働のマネジメントをするには、その手段として管理することが適していましたが、時代が変わり仕事の種類が変わってきた今、その管理という手段はリモートでチームを運用するために適していないのです。遠隔で部下の行動を逐一把握し制限することは不可能ですし無意味です。大切なのは「チームで仕事を成功に導くこと」。このためには、部下を監視して統制するのではなく、プロジェクトの目的を達成するために必要なプロセスを考え、ひとりひとりの個性を把握して、適材を適所に落とし込んで円滑に回していく能力が求められます。

「管理」と「マネジメント」の違い〜管理という手段で成果はあがらない

「管理ゼロで成果はあがる」は、私にとって経営者になってから単著で3冊目の本となります。今回の本は、アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)というスタイルの読書会にむけて原稿ゲラを提供していることもあって、全国で読書会を開催してもらえています。私もいくつか参加させてもらいました。

セルフマネジメントを促す

自分がどれくらいの時間でどれくらいの仕事をこなせるのか、知る必要がありますね。

自宅や場所に関係なく、適切に周囲とコミュニケーションしつつ仕事を進捗させるためには、自分自身に対するマネジメントが欠かせません。各自がセルフマネジメントできる人材で構成されたチームなら、必要以上にマネジメントコストがかからず生産性が高くなります。

管理者が楽をするために自助を促すのか、と捉えられてしまいそうですが、そうではありません。セルフマネジメントを構成するスキルや思考法は、効率よくその人の能力を引き出す仕事法となります。また同時にチームメンバーひとりひとり、ひいては組織が自立して能動的に仕事をすることができるようになるのです。

まずは持っている仕事を細かいタスクにばらし、ひとつずつ達成しながら仕事の進度を「見える化」することから始めてみましょう。

セルフマネジメントの必須スキル「タスクばらし」そのポイント

私たちソニックガーデンでは、指示命令のマネジメントを捨て、メンバーそれぞれが自分で考え自律的に行動することで、高い生産性を発揮しつつ様々な変化に対して柔軟に対応できる組織づくりに努めている。

持っている仕事と自分を客観視してコントロールできるよう部下を手助けしてあげてください。セルフマネジメントはすぐに身につくものではありませんが、誰でも方法を学んで実践することができるものです。チームの生産性がぐんと上がるはずですよ。

リモートワーク時代を生き抜くためのセルフマネジメントのスキルと思考法(その1)「時間からスタート」「タスクばらし」「そもそも思考」

リモートワークが非常に注目されるようになって、よく聞かれることの一つが「リモートワークに向く人/向かない人は?」です。

適材適所に配置する

誰にだって得意不得意があるんです。

企業としてのカルチャーや価値観のもと、チームとしてミッションとビジョンを共有し、「さあここからお仕事です。よしなにやっていきましょう」とスタートしてもそううまくはいきません。プロジェクトを上手に進めていくには、個々人にあった役割やミッションを見つけて提案することも必要です。

もちろん「管理」ではないので、指示命令としてではなく、きちんとそれぞれの好きなことや得意なこと、そこから会社に貢献できそうな道筋を見極めた提案。ここをきちんとマネジメントすることが、生産性はもちろん信頼関係にも深く関わってきます。

本人にとって、好きなことで、得意なことで、会社に貢献できること、その3つが重なるところが見つかれば、あとは任せても大丈夫。それが適材適所です。

セルフマネジメントで自己組織化されたチームは、どうマネジメントするのか

講演や取材などで「管理がない」という話をすると驚かれる。特に、リモートワークなのに管理はどうしているのか、本当にちゃんと働くのか?サボらないのか?という疑問が浮かぶのだろう。

心理的安全性を保てる組織を作る

お互いへの信頼があってこそのチームです。

チームの中で、気兼ねなく安心して発言や行動できるような心理的な不安がない状態、を心理学の専門用語から「心理的安全性(psychological safety)」と呼びます。これはチームの生産性を高めるために極めて重要な状態です。

心理的安全性の保たれたチーム→コミュニケーションや雑談がうまくいく→心理的安全性が保たれる→生産性が上がる→コミュニケーションや雑談がうまくいく→心理的安全性が保たれる…良いループですが、この心理的安全性はどこから?

それは信頼関係です。管理者はメンバーと信頼するところから始めましょう。そのために必要なのは、コミュニケーションと小さな約束を守る行為を繰り返していくこと。発言に一貫性があり、判断が公平であること。一緒に働く仲間に対して敬意を払って接すること。旧態然とした上下関係を振りかざしてしまうと信頼関係は呆気なく消えてしまいます。

お互いのことを知って、敬意を払って、誠意を持って接すること。そのためのコミュニケーションとして、雑談がとても大切です。何気ないことを言い合える場を積極的に作り、また管理者から上手に発信していけるようにしましょう。

心理的安全性の高いチームを作るための取り組み

グーグルが取り組んだ生産性向上計画についての記事で、それによると生産性の高いチームに共通するのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」がうまくいっていることだと言うのだ。

マネジメントがうまくいけば、生産性が高まる

上手にチームをマネジメントして、生産性をあげましょう。

チームをどう運営すればいいのか、という不安がつきまとうリモートワーク。管理者にとって大事なのは、メンバーとお互いを信頼し合った上でのマネジメントです。相手を知って、信頼関係を築いていくことで生産性の高いチームが実現します。ぜひ「信頼する」「信頼される」態度を心がけてくださいね。

この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。

リモートワークのための仮想オフィス「Remotty」