仮想オフィスは休憩室。ゆるく繋がることで、フルリモートでもお互いの状況を気軽にシェアできる~株式会社クラウドボックス

雑談の重要性をリモート体制になる前から感じていた株式会社クラウドボックス様。コロナ禍でもうまくコミュニケーションがとれるよう試行錯誤した1年を振り返りながらお話していただきました。


徳永 健

徳永 健とくなが けん

株式会社クラウドボックス 代表取締役
イラストレーター、グラフィックデザイナー、作家、ライターなどフリーランスのマルチクリエイターとして20代30代を過ごしたあと、株式会社クラウドボックスを設立。目指すのは「日本一のラブレターの代筆屋」、大切にしているのは「愛と自由と好奇心」、座右の銘は「流水不腐」。

コロナ禍がきっかけで、部分的なリモートワークから完全リモートワークに移行

はじめに事業内容を教えてください。

徳永

株式会社クラウドボックスは、東京の吉祥寺でデザインの会社をやっております。グラフィックデザイン、ウェブデザインを中心に、お客様の想いをカタチにすることをモットーに、幅広く表現のお手伝いをしています。現在全6名のメンバーがフルリモートで仕事をしています。

リモートワークはいつから始めましたか?

徳永

リモートワークは3年前ぐらいから取り組み始めました。当時はフルリモートではなく、基本はオフィスに集まって仕事をして、日によってリモートで働く社員もいるというスタイルでした。昨年の新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけでフルリモートに切り替えることにしました。

フルリモートにする前後でコミュニケーションに変化はありましたか?

徳永

業務のやり取りについてはこれまでと大きな変化はありません。フルリモートになってからは、オフィスではできていた雑談がやりにくくなってしまったので、ZoomやRemottyを使って、雑談の場を新たに設けるようになったことが大きな変化ですね。それから、以前は定着しなかったRemottyへログインする習慣がつきました。毎日ログインするようになったことで、他ツールだけでは再現できない “一緒にいる感覚” が得られるようになりました。

社員も雑談の重要性を認識していたため、リモートワークではバーチャルオフィスが必要だと感じた

Remotty上でのやりとりの様子

Remottyのチャット機能は利用していますか?

徳永

はい。でもRemotty上では大した話は投稿していません(笑) 主に投稿しているのは「お昼にします」とか「あがります」といった、つぶやきですね。そうしたちょっとしたひと言をRemottyに書くことで、直接的なコミュニケーションではなくても、オフィスにいるときに自然に流れている"薄いつながり"のようなものをオンライン上に作ることができます。それが業務上でも話しやすさを生んでいると、メンバーも感じてくれているようです。

Remottyはオフィスにある休憩室のような、雑談をする場所として利用されているんですね。

徳永

そうですね。業務上の連絡には使っていなくて、聞いても聞かなくてもいい内容が書かれています。以前から"雑談の重要性"についてはメンバーにも伝えていたので、リモートになっても、雑談は残していきたいという気持ちは社員も共通認識として持っていたと思います。

雑談を意識的に行うためのTIPS

感情シェアカード

感情シェアカードゲーム『emochan』

ほかに、意識的に雑談をする場は作っていますか?

徳永

毎朝、Zoomで雑談中心の朝会をやっています。そこでは『emochan』という、カードゲームを活用して1人ずつ、好きなことを喋ったりしています。たとえば「ニコニコ」とか「プンプン」といった、8つの感情を表すカードから1枚をその日の気分で選んで、そのカードを選んだ理由や気分を1分くらいで話してもらうんです。この朝会をしているおかげで場が温まり、業務時間に入ってからも雑談のしやすい雰囲気が続いていると思います。

これ、毎朝なんですか?(笑)

徳永

そうです。毎朝です。毎朝みんなの声を聞いてから始めることにしています。

いいですね。では、リアルに会わなくても仕事のやりにくさは感じず皆さん働けているのでしょうか?

徳永

リアルで全員集まったのは、今年の初詣が最後なのですが、業務のやりにくさは感じないですね。まあ、ネットの環境は社員によってまちまちなので、それで意思疎通が途切れて不便を感じることなどはありますが、業務的にはもうみんな慣れたというか、毎日オンライン上で顔合わせているので距離の遠さは感じません。

リモート祭り

ほかにも社員の皆さんとコミュニケーションをするための取り組みはされていますか?

徳永

先日「クラウドボックスまつり」というイベントを行いました。Zoomで、メンバーと今年1年間でお世話になったパートナースタッフを招いて、全員の家に同じ料理を届けて食事をするという企画です。やっぱり「同じものを食べる」というのは一体感が出ますよね。

クラウドボックス祭りの様子

いいですね~そういうの!

徳永

こうしたイベントで繋がることもできますが、普段はチャットワーク、Zoom、スプレッドシートなどを活用しつつ、プラス、バーチャルオフィスとしてRemmottyを利用することで、メンバー同士のつながっている感覚を実現しています。

今後リモートワークを続けていく上での課題について

最後に、リモートワークをしている中で感じた課題や、今後続けていく上での展望を教えてください。

徳永

来年度は新卒採用を考えていますが、そのコミュニケーションの取り方は考え中です。リモートで業務を進める環境は整ったので、地方採用も視野に入れてもいいのかもしれませんが、入社後のコミュニケーションのとり方をまず検討しないといけません。入社してから半年は伝達事項の量が多いと思うからです。そういう時期は、やはり同じ空間で仕事を共にしていった方がお互いにとっていいのかなと思います。なので、リモートで採用をする場合、どのようにお互いの不安を埋めていくのかが次の課題になると思います。やってみないとわからないというのが正直なところですが。

そうですね、確かにリモートで新しいスタッフへの情報共有や価値観を共有していくのは難しいですよね。

徳永

熱量の高い話をするときに、どのようにすれば伝わるのかというのは悩みの1つです。細かい雑談はある程度リモートでもできるようになりましたが、熱を伝えたいと思うときにオンライン会議だけでは足りないと思うので、コロナの状況にもよりますが、年に数回社員旅行をするとか、出社日を作るとか…。 先ほど話した、「クラウドボックスまつり」も1つの挑戦ですが、そういった工夫も織り交ぜながら、コロナ禍でもできるコミュニケーションの方法を今後も模索していきたいと思っています。

他の企業も同様の課題を抱えていると思います。ぜひいい方法があれば、また共有していただければと思います。同じ釜の飯をリモートで食べる「クラウドボックスまつり」。楽しそうですね。また、毎日の朝会でお互いの気持ちの共有など、面白い試みはぜひ弊社でも真似したい取り組みだと思いました。本日はありがとうございました。

取材後記

新しいツールやサービスを使うことが元々好きだと話していた徳永さん。その中で自社にあったものを見つけて社内のコミュニケーション活性に役立てている話をたくさんしてくださいました。私も初めて聞いたサービスがあったので、ぜひ仲間たちと試してみたいと思いました。

(リモートワークラボ編集部)

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この記事を書いた人

千賀 遼子

株式会社ソニックガーデンの自社サービスRemottyの営業・カスタマーサポートを担当。リモートで働く二児の母。お客様からのお問い合わせ対応の他、ヘルプページの作成やブログの更新を行っている。お客様を楽しませるチャットのレスポンスには定評あり。