リモートワークのプロが語る、在宅勤務者たちがチームとして機能するコツと課題

(最終更新 2018/08/13)

自治体や省庁でも導入が始まっているリモートワークですが、業務の進め方やコミュニケーション面等、まだまだ試行錯誤している方も多いはず。今日は、5年前から積極的にリモートワークを取り入れ、リモートワークのためのツールも開発してしまったという、株式会社ソニックガーデンの倉貫社長のインタビュー記事をご紹介します。

サイト名:未来を変えるプロジェクト
タイトル:「リモートワーク」でチームを育てる 新しいアイデアが生まれるしくみ
https://mirai.doda.jp/series/interview/sonicgarden/

1:チームとしての意識が強ければ、働く場所は重要ではない

仕事の本質とは、決まった仕事をただやるのではなく、会社の一員として自分たちが何をすべきなのかを考えることにあります。同じビジョンに向かい、仲間として事業をやりたいと思ったときに、相手がどこにいるかはそれほど重要なのでしょうか。おそらく課題は、環境整備や一人ひとりの意識にあると思います。

リモートワークを始める上で大切なのは、在宅勤務という働き方が特殊な業務の在り方なわけではない、という認識を強く持つことでしょう。本社から離れているからといって、意識までもが離れてしまっては、チームという一体感を持って働くことは難しくなってしまいます。

そのために、業務やコミュニケーションが滞らないように環境を作ることは大事になってきますよね。特に、誰かに質問や確認すべき事柄があったとき、億劫になったりスムーズに出来ないような環境では、気持ちに壁が出来て、一体感は損なわれてしまうかもしれません。Skypeを繋いでおいたり、チャットツールを活用して、オフィスや他のリモートメンバーと繋がっている工夫は、在宅勤務者を孤独にさせない方法のひとつでしょう。

2:海外を旅したい社員も、リモートなら辞めなくていい

そんなことを考えていた矢先、ある社員が「海外を旅しながら、今の仕事を続けたい」と言い出しました。しかし、彼には辞めて欲しくない。ならば、試しに離れて仕事をしてもらうことにしました。まずは在宅勤務から始めて、次にカナダから3ヶ月、その後アイルランドで1年間、それぞれリモートで働いてもらったところ、問題なく仕事ができたんです。

今の会社での仕事内容や仲間は気に入っていても、住む場所に満足していない人は少なくないのではないでしょうか。都心であれば通勤時間は短くても、家賃が高かったり子育てに適していなかったり。ベッドタウンであれば通勤時間は長く、かと言って望んだとおりの環境ではないかもしれません。他にも、介護を理由に故郷に帰る必要があったり、贅沢なようですが週末はいつも海辺で過ごしたいと言った希望だってあるかもしれません。

そういったとき、リモートワークであれば、会社側は社員を失うことなく、社員側は仕事を失うことなく、これまで通りの仕事を続けられますよね。

3:日本全国、世界全体から社員を募集できる

採用の幅が広がることです。弊社はブランドのある大きな会社ではないため、優秀な人材の採用は容易ではありません。その際に、本社のある東京近郊にこだわらず、日本全国あるいは世界全体で募集することができます。

今いる社員の方が、住む場所を理由に転職しなくて済むだけではなく、新たに優秀な人材を全国から募集することができるのがリモートワークの凄さです。実際にソニックガーデンには二名の方が兵庫県からリモートで勤務されているそうです。リモートワークラボでも、沖縄や九州からリモートワークされている方にインタビューさせて頂きましたが、テクノロジーの進歩は素晴らしく、1600キロの距離なんて関係なく皆さんお仕事をされています。

4:リモートだとサボるのではという心配は無用

弊社では、勤怠管理、目標管理、売り上げ管理を一切していません。そうした社風なので、自律的に動ける人材が求められます。セルフマネジメントができて、自発的に考え、仕事ができるひとです。よく、リモートだとサボるのでは……と心配するひとがいますが、オフィスでもサボることはできるので、リモートだからといって特別なことはありません。

リモートだとサボることができてしまうと思われがちですが、実際にはリモートワークをしているからこそ、結果を出さなければといけないというプレッシャーを感じる人が多いと感じています。

ソニックガーデンでは勤怠管理、目標管理、売り上げ管理をされていないということですが、違う会社では管理することも重要だと考え、業務内容やアウトプットの可視化を大切にしている場合もあります。この辺りは、業務の内容であったり、働く人たちの意識によって柔軟に対応するのが良さそうですね。

5:ビジョン・情報の共有をするための工夫をする

つい最近困っていたのは、社員の人数が増えるにつれて、ビジョンの共有が難しくなってきたことでした。一般の会社だと、朝礼などで会社の状況や方向性を確認しますが、弊社は時間拘束もしていないので、一同に会するのは難しい。そこで、半年前から「社長ラジオ」を始めました。私が毎朝5分程度、会社の状況や私自身の考えなどを録音して配信し、社員には各自好きな時間に聴いてもらいます。気軽に聴いてもらえるよう、専用アプリも作りました。親近感がわくと社員には好評です。

ひとつの空間に集まらなくて済むのがリモートワークのメリットですが、一方でただ集まることで簡単に済んでいたことが難しくなるというデメリットがありますね。ソニックガーデンでは一同に会する朝礼などの代わりに、「社長ラジオ」という倉貫社長の音声を録音したものの配信を始めたそうです。これならいつでも好きなときに聞くことが出来ますし、時間の拘束がないので業務に支障をきたすこともありません。

これはソニックガーデンに適した形であり、Skypeなどで全員を繋いで遠隔で朝礼を行う会社もあります。ビジョン・情報の共有、またはチームとしての意識を持つためにも、こういった場を作る工夫があるといいかもしれませんね。

6:雑談のための場を用意する

新しいアイデアというのは、何気ない会話から生まれてくるものです。会議で「さあアイデアを出しましょう」と言われても難しいですよね。「社長ラジオ」もアプリ開発も、雑談中に「やってみたらおもしろいんじゃない?」となったのがきっかけです。

社員同士が常につながっている環境が重要だと考え、Skypeをつなぎっぱなしにしたり、チャットを使ったり、色々と試行錯誤を繰り返しました。けれど人数が増えるにつれて既存のサービスは使いにくくなってしまい、結局、自社でリモートワーク用のツール「Remotty」を開発しました。

オフィスにいれば、休憩場所だったり喫煙所だったりお昼の時間だったり、自然に雑談が発生する場がありますよね。そこでわざわざ会議の議題にするほどでもない相談が出来たり、そういった相談から新しいアイデアが生まれるのは多くの方が経験されていることではないでしょうか。クリエイティブな職種であればあるほど、在宅勤務でそういった機会が失われてしまうのは痛手です。ソニックガーデンでは、雑談のためのオリジナルツールを開発されたそうですが、それが生まれたきっかけもまた雑談の中にあったのが面白いですよね。

7:チームの一員だということを実感する

弊社では、半年に一回、社員全員参加の「ビジョン合宿」を行っています。地方でリモートワークをしているひとのために、オフィス見学も兼ねています。一泊二日の合宿で何をするかというと、全員で会社の経営や戦略、ビジョンについて語り合います。

ソニックガーデンでは「チーム」であることを大切にしているそうですが、半年に一度という頻度で社員全員が集まる機会を設けているのですね。会社の経営や戦略を語り合うそうですが、そういった議題もまた、自分がその組織の一員であるという意識を強く持つきっかけになりそうですね。

まとめ

いかがでしたか?冒頭から倉貫社長は述べておられましたが、働く人が、自分はその組織の一員であり、会社とビジョンを共有し、やりたい仕事に取り組んでいるという意識をきちんと持ってさえいれば、リモートワークは決して難しいものではありません。リモートワーカーであろうとなかろうと能動的にやるべき業務に集中し、結果を残していくでしょう。

ただその上で必要となる環境として、ビジョン・情報の共有の場、雑談の場が大事だということに、強い印象を覚えました。物理的な距離があるからこそ、気持ちに距離ができないよう、コミュニケーションに工夫が必要なのですね。

リモートワークを始めたものの、なんだか上手くいかないと感じている場合は、まずは円滑にコミュニケーションがとれているか考えてみるのも必要かもしれませんね。

株式会社ソニックガーデンのインタビュー記事はこちら

【リモートワークスタイルのフラッグシップに】 チームで働くリモートワーカー集団ソニックガーデン(前編)

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