テレワーク中の通信費。会社と従業員どちらが負担する?【事前のルール決めが必要】

会社から離れた場所で働くテレワークには通信機器の利用が不可欠。もっとも使うのがパソコンで、会社とのやりとりのためにインターネット通信は欠かせません。そこで気になるのが、業務上でかかる通信費。どこまでが会社負担となるのでしょうか?

会社によって対応はさまざま

厚生労働省によると、ノート型パソコンや携帯電話を貸与した上で、無線LANなどの通信費用も会社が負担としているケースが多いようですが、会社によって対応はさまざまです。

厚生労働省:https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category7/02.pdf

会社が全額負担するケース

「業務上でかかった経費は100%会社が負担する」という考え。パソコンなどの機器やソフトウェア、アプリなどにかかる費用、ネット回線の通信費などで発生する費用を全額会社が負担しています。

会社が一定額を負担するケース

自宅のパソコンや、既に自宅で契約しているネット回線を利用して在宅勤務を行う場合、「在宅勤務手当」という形で一定額を支払っています。また、通信費についても、業務使用と個人使用の判断が困難なため、一部負担としています。

ポイントは?

テレワークを導入する前におさえておきたいポイントをまとめました。

事前にルールを決めておく

在宅勤務中にかかるコストに関しては、企業側と働く側の話し合いによって会社負担か個人負担かを、事前に決めておく必要があります。また、従業員に通信費や情報通信機器等の費用負担をさせる場合には、就業規則に規定しなければなりません。

初めてテレワークを導入する企業は、厚生労働省の「テレワークモデル就業規則」を参考にしてみてください。

厚生労働省:https://www.tw-sodan.jp/dl_pdf/16.pdf

遠隔で経費清算できるシステムを導入する

経費の清算のためだけに出社するということがないように、会社から離れた場所からでも申請ができるようにしておく必要があります。紙での申請ではなく、オンライン上で処理ができる経費精算専用のシステムやソフトウェアを導入するのがよいでしょう。

業務用と個人用で端末を分ける

通信費については、どこまでが業務使用でどこまでが個人使用かを明確に判断するのが難しいですが、パソコンやタブレットなどの端末は貸与することで、業務使用と個人使用をはっきりさせることができ、経費清算もしやすくなります。

また、セキュリティ面でも安心。もし、私物の端末を業務用としても使用する場合は、セキュリティ対策をしっかりとおこないましょう。セキュリティ意識が甘いと、大きなトラブルに発展しかねません。総務省で紹介している事例と対策を3つピックアップしました。。

トラブル事例(1)

社外からでも社内システム内のすべてのファイルにアクセスできるようにしていたところ、従業員が外出先で顧客の秘密情報が表示されたままの作業画面を放置してしまい、何者かに盗み見されてしまった。その後、情報をネット上の匿名掲示板に書き込まれてしまい、顧客から取引停止を申し渡された。

対策は?

・あらかじめ情報のレベル分けを行い、それぞれの取扱方法を定める
・重要情報については社外からアクセスできないように設定する。
・端末を放置することの危険性を伝えるなど、従業員の意識を高めることで、未然防止を図る。

トラブル事例(2)

従業員の私物端末を介して、社内システムがランサムウェアに感染。重要情報が閲覧できなくなっただけでなく、 攻撃者から多額の金銭の要求を受けた。言われたとおりの金銭を支払ったが、データを復号するための鍵は送られてこなかった。

対策は?

・重要情報は、システム管理者がバックアップデータをとり、ネットワーク経由でアクセスできない場所や書き換えのできない場所に保存する。
・USBメモリ、取り外し可能なハードディスクやSSDに記録し、機器から取り外して施錠保管する。
・DVD-Rなどの書き換え不可能なメディアに記録して保管する。
・書き換えや削除が不可能な状態に設定されたサーバ上の領域で保管する。

トラブル事例(3)

テレワーク中に勤務先の電子メールアドレスに「クレジットカード請求額のご連絡」という件名のメールが届いた。送信元は所有しているクレジットカードと同じ会社だったが、最近カードで買い物をした覚えがなかったので、誤請求かどうか確認しようと思い、メール本文に示されたリンク先にアクセス。指示されたとおりにカード番号や有効期限などの情報を入力したところ、後日カードを不正利用されてしまった。

対策は?

・不審な電子メールは「迷惑メール」として通常の受信ボックスとは別の場所に保存するか、削除する。
・マルウェア検知や異常な挙動等の脅威を一括で把握できるようなセキュリティ対策ツールを導入する。
・メールサーバ上で一定の条件を満たす電子メールを分離する。
・インターネットサービスプロバイダが提供する迷惑メール対策機能を使う。

セキュリティ対策をおこなった上で、従業員に「テレワーク中は自分が管理責任者である」という意識を持たせることも重要です。

総務省:http://www.soumu.go.jp/main_content/000560571.pdf

まとめ

通信費の負担に関して重要なことは、事前にルールを決めておくことです。のちのちトラブルにならないように、テレワーク導入前に就業規則を定め、従業員に対して説明しておきましょう。

この記事を書いた人

上條真由美
上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌、テレビ情報誌の編集、求人サイトのライター、ディレクターを経て独立。幅広いジャンルで取材や執筆を行なっている。肉食、ビール党、猫背。最近は落語がブーム。写真は友人とのタイ旅行にて。

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