テレワークで研修はどう変わるか?

テレワーク時代の人材育成を考える

テレワークが急速に普及する昨今、人材育成にもまたテレワークの導入が求められています。オンラインでもスムーズなコミュニケーションを図れるようになる研修はもちろん、研修自体をオンラインで的確に行うためのスキルも必要になってきます。今回は「テレワークを使っての研修」と「テレワークを正しく行うための研修」2つの観点からお話ししましょう。

https://www.learningagency.co.jp/service/hrd/telework/

テレワーク研修の実施方法

まずは、テレワークを使った研修について。いくつかのポイントを押さえることで、スムーズに効果的に行うことができます。

録画研修

録画したものを配信する形での研修は、当日の講師の手配や受講時間などを気にする必要がなく、受講者は自分の時間や場所に合わせて自由に受講できるのがメリットです。

一方で、完全に一方通行のプログラムになりますので、受講者の内容習得にバラつきが出やすくなるのがデメリットですね。

ライブ配信研修

Zoomなどのweb会議ツールを使って、リアルタイムで行う研修では、質疑応答やグループワークなど、対面研修と同等の双方向のコミュニケーションを伴った内容を組み込むことができるのがメリットです。

事前準備を入念にしておく必要があり、また機器トラブルや通信トラブルが起こった際の対処方法などにもすぐに対処できるような人員配置にしておかなければなりません。個々の受講者の通信環境のチェックも重要です。

事前に気をつけておきたい注意点

基本の操作方法についてのトレーニング

特にweb会議ツールを使用したライブ配信研修の場合、事前に一人一人が機器を使いこなせるように準備しておく必要があります。担当者は使い方や動作チェックのマニュアルを整えておくと良いでしょう。受講者もそれに従ってきちんとトレーニングしておく必要があります。

タイムスケジュールはコンパクトに

録画研修もライブ配信研修も、基本的にパソコンの画面を見続けることになります。長時間を映像を見続けていると疲れて能率が下がってしまいますので、30分〜多くとも1時間未満を1単元として、休憩を入れることをおすすめします。

また、事前に補足や概要説明の資料を配布しておいたり、個人で実施するオンラインワークなども取り入れると、全体にメリハリが出るのでおすすめです。講義自体の時間もそれだけコンパクトにすることできますね。

効果的なテレワーク研修のためのポイント

一方通行にしない

前項でも少し触れましたが、ライブ配信の場合は、質疑応答やグループディスカッションなどを取り入れ、講義を聞くだけの研修にはしないようにすることが大切です。録画の場合は事前配布資料やオンラインワークなどを取り入れることで、全体にメリハリが出ます。

操作や機器のトラブルに対応できる人を置く

事前に使い方を周知しトレーニングを行っていたとしても、当日は思わぬトラブルが起こることが多々あります。もちろん操作に慣れない人や通信トラブルなども想定されますので、講義をする人とは別にトラブルに対応する人間を設置しておくと良いでしょう。

原則「顔出し」にする

ライブ配信の場合は、受講者全員がビデオをオンにする「顔出し」をおすすめします。音声を流し聞きしているだけだとどうしても内容が入ってこないという人も、顔出しで受講することで、緊張感が出ます。また、受講者同士の顔やある程度の人数がわかることで親近感や連帯感が生まれ、気持ちにメリハリが出るというメリットもあります。

テレワークのための研修も必要

テレワークを「する」ための研修も必要です。特にマネジメントする人間にとって、テレワークで部下とどうコミュニケーションを取るかを学ぶことは、今後のチーム運営を左右する重要事項です。テレワークを導入する際は、必ずマネジメント研修を実行するようにしましょう。

テレワークをスムーズに行うためのマネジメントとは

テレワークで働くチームに必要なのは「連帯感」です。チームとしての目標を明確にし、そこに個人の目標がどう影響するのか、チーム全体のために個人がどの位置にいるかをそれぞれ認識させることで、離れていても同じ目標に向かうチームが出来上がります。そのために業務の全体像を把握すること、チームメンバーの能力や状況を正しく理解し、業務を適切に分担することが求められます。そのための意識改革と成果を重視した進捗管理と評価の方法を学ぶ必要がありますね。

テレワーカーとのコミュニケーション対策について

もうひとつ大切なのはコミュニケーション。顔を直接合わせることの少ないテレワークでは、メンバーが上司に困ったことや疑問などを相談することが難しくなります。その前提を正しく理解し、定期的にコミュニケーションをとること、また離れていてもコミュニケーションが取りやすい空気を作り出すことが必要です。さらには、「仕事を理解されている」「評価されている」とメンバーが安心できるようなフィードバックの方法など、お互いの情報を正しく共有するノウハウの習得が求められます。

成果や業務をどう管理するか

テレワークを定着させると、従来の業務のあり方を一度見直し整理する必要が生じます。時間での労働管理の概念を捨て、成果主義での評価体制に変更する必要も出てきます。一度組織全体を見直し、改善・改革をするということです。場合によっては業務の見極めや整理する方法から学ぶ必要がありそうですね。

テレワーク研修には補助金がある!

テレワークを導入するにあたっては、行政からいくつか補助金が用意されています。その支給対象となる取り組みには「労務管理担当者に対する研修」「労働者に対する研修、周知・啓発」も含まれています。ぜひご参考に。

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

テレワークを上手に使って、効率よく人材育成を

テレワークのための人材育成も、テレワークを使った人材育成も、テレワークを定着させるためには必要不可欠です。それぞれをコンサルしてくれる会社も多数存在しますので、上手に活用して、テレワーク時代に対応できるより良い組織を作っていきましょう。

リモートワークラボでは、人材育成も含め、テレワーク導入に関する相談・支援を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。