【鹿児島からのフルリモート!単純な成果物だけでなく、プロセスもアウトプットする】前編~新沼 貴行氏

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「チームで働くリモートワーカー」を応援する【リモートワークラボ】がお届けするインタビュー企画。
この企画では、リモートワークを推奨している企業の社長やリモートワーカーに、リモートワークを取り入れている理由、チームが機能する仕組みをお話いただきます。

株式会社モンスター・ラボ テクノロジスト 新沼 貴行氏

2004年から2010年まで東京のSIerに勤務。2010年から2014年月まで鹿児島でシステムエンジニアとして従事。2014年モンスター・ラボへJoinし鹿児島と東京間でのフルタイムリモートワークに。金融系・物流系業務系Webアプリケーション開発、また通信情報系企業の資産管理セキュリティシステムのサーバ管理者として保守運用とハードウェアやネットワーク障害対応も経験。Amazon Web Servicesのコミュニティ「JAWS-UG」の鹿児島支部長。

今日は宜しくお願いします。まずは会社の紹介をお願いします。

新沼氏

はい。株式会社モンスター・ラボと言います。創業から展開している音楽事業がありまして、500万を超える楽曲を店舗向けにBGMで配信する「モンスター・チャンネル」というものを運営しております。
これが事業の大きな柱ですが、その他にいくつか柱がありまして、その1つは私が所属しているサービス開発事業部です。大手の上場企業さん等のアプリやウェブサービスの企画・開発・運営までを手掛けております。
もう1つはゲーム事業部で、主にソーシャル向けのiOS・Androidのゲームアプリ開発をしています。開発だけではなく、デザイン製作・販売もしています。

新沼氏

また、セカイラボというのがありまして、こちらはグローバルソーシング事業です。「全ての企業に開発リソースを」というミッションを持って、海外15カ国100社以上の開発企業が登録されたプラットフォームを運営しています。日本のPMやディレクター、デザイナーと(主にアジアの)開発チームを組み合わせることで、Webサービスやスマホアプリ・業務システム開発を、企画から運用までワンストップかつ低コスト・高品質で提供している成長著しい事業となっております。

新沼さんは最近どんなお仕事をされているんですか?

新沼氏

主に関わっているのは、自社アプリの【女子旅アプリ Vivo(ヴィーヴォ)】です。最近リリースしたんですが、沖縄、ソウル、グアム、バンコク、バリ島、パリといった国内外10都市について、実際にその土地に住んでいる女性や、その土地を訪れたコンテンツレポーターが、観光とかアクティビティ、グルメ、ショッピング、エステなどに関して写真付きで発信しあうというアプリです。

女子が欲しいマニアックな情報も手に入りそうですね!

東京、鹿児島、ベトナムを繋いでリモートワークを実施

ありがとうございます。このセカイラボもモンスター・ラボさんの事業部の一つなんですか?

新沼氏

100%子会社です。

ここの方と一緒に仕事をすることもあるんですか?

新沼氏

ありますよ。例えばセカイラボが受注したサービス、アプリ開発に対して、私たちモンスター・ラボの社員が、エンジニアとして協力したりします。メインでベトナムのエンジニアが開発しつつ、東京の本社にいる社員、私とかが連携して作るという形があったりします。

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リモートで開発をしているということですね。

新沼氏

そうですね。先ほど最後にお話をしたVivo(ヴィーヴォ)というものは、東京オフィスで企画とか運営をしているんですけど、実際のアプリ開発自体はすべてベトナムのメンバーなんです。

それはすごいですね!

新沼氏

最近ベトナムのメンバーが増えてきているので、私たち運営側としては、顔と名前が一致しないメンバーが出てきてしまって。伊藤さんとか山田さんという名前だと覚えやすいんですけど、ホンさんとか、フォアンさんとかいっぱい出てきて、「この人、誰だっけな?」みたいなことが最近増えてきたので、「実際にみんなでミーティングしましょう」ということになり、僕も初めてベトナムのメンバー全員と顔を合わせました。

顔合わせでベトナムに行かれたんですか?

新沼氏

いや、僕はスカイプです。拠点と言っても僕は家なので、東京のオフィスと、ベトナムのオフィスのメンバーを結んで、「Hello」、「Hello everyone」みたいな。たどたどしい英語でみんな(笑)

ほとんどの企業は「リモートワーク可能」なんてことは採用情報に掲載していない

次に入社の経緯について教えて頂けますか。

新沼氏

はい。一番大きなきっかけは、結婚を機に鹿児島に移住したことですね。
私の生まれは岩手県の大船渡というところで、高校時代までを過ごしました。高校卒業後、宮城県の仙台で情報系の専門学校に行きまして、そこから上京して東京のSIerで働いていたんですけど、そこで妻と知り合いました。結婚を考えたとき、地方出身だったこともあり、東京にいたくないなと思ったんです。仕事をする上でとか、趣味とか、娯楽という意味ではすごく刺激も多いですし、魅力的な土地だとは思ったんですけど、いざ結婚して一生いるかと言われたら、そうじゃないなと思いましたね。

新沼氏

同時に、インターネットが繋がればどこでも仕事ができるんじゃないかなという漠然とした考えがありまして、じゃあ鹿児島に移ってしまおうと決めたんです。
鹿児島でも同じような職種に就いてやっていたんですけど、ある時、AWS(*1)というものに出会い、すごく魅力的な技術で、自分もそれに携わりたいと思うようになりました。ですが、鹿児島ではAWSを取り入れたり、実際の仕事としてやっているところがなかったんです。なかったので、起業しようかなと思っていた位でした。

起業まで考えたんですね。

新沼氏

はい。色々考えていく中で、当時既にリモートワークをしているエンジニアの先輩がいたので、リモートワークなら鹿児島に居ながらやりたい仕事ができると思い、リモートワークができる企業に限定して転職活動を始め、モンスター・ラボに出会いました。

転職活動の際、「リモートワーク可能」と謳う会社は多かったですか?転職活動自体はスムーズでしたか?

新沼氏

すごい大変でした。そもそも、「リモートワーク可能」なんてことは採用情報に載っていないんです。

載っていないんですか!?

新沼氏

はい。なので、気になった企業には「リモートワークやっていますか?」と問い合わせをしていました。「考えてないです」「今後もその予定はない」と言われることが多かったですね。

(*1)AWS=行=Amazon Web Servicesの略で、Amazon.com により提供されるクラウドコンピューティングサービス。様々な種類のサーバが用意されており、主にWebサイトやWebサービスの運営者や開発者が必要とするインフラ系のクラウドサービスを提供している。

モンスター・ラボには、リモートワーカーが1人いた

ちなみに、モンスター・ラボさんには書いてあったんですか?

新沼氏

モンスター・ラボは、ウォンテッドリーというソーシャル・リクルーティング・ツールで見つけました。ウォンテッドリーには、「話を聞いてみたい」とか、「興味がある」みたいなボタンがあるんですよ。リモートワークについては何も載っていなかったんですけど、会社として魅力的だなと思って「話を聞いてみたい」というボタンを押していたんです。そうしたら、人事から「じゃあ、うちのオフィスに来てみませんか?」と誘ってもらったんですけど、「いや、こっちは鹿児島だし…」と躊躇しましたね。

そうですよね。ただ話を聞きに行くだけには、あまりに遠い(笑)

新沼氏

リモートワークがそもそもできないのであれば、話を聞く必要もないなと思ったんです。そしたら、「実は書いてないけど、リモートワークをしている社員が1人います」と教えてもらいました。元々その人も私と同じように東北出身の人なんですけど、東京で働いていて、大震災を経験したことで、家族と子どもがいるので東京にいるのは危険だと判断されて、熊本に移住したそうです。そういう方が社員としているのであれば、じゃあ、この先に進みましょう、という感じでしたね。

あたってみるものですね(笑)じゃあ、リモートワークをされているのは、本当に物理的に遠くの場所にいる方だけで、東京本社の方が「今日はちょっと家から」みたいなのはないんですか?

新沼氏

全面的にやっている社員はいないです。今、リモートワークを活用し家で働いているのは僕と富山の人間だけです。つい最近、ちょっと会社も変わり始めたなって思ったのは、「台風が来るから、今日は全社員自宅でやっていいよ」みたいなことが流れたんですね(笑)。それで、ウチもそういう波が来ているのかなみたいなことを感じました(笑)

会社の文化として、リモートワークはすぐに始められた

次の質問ですが、モンスター・ラボさんはなぜリモートワークを取り入れているのか教えて下さい。

新沼氏

弊社では、「多様性」を大事にしてます。色んな国籍とか色んなバックボーンの人が数多く居て、そういう人たちを取り込んで何か新しいことが生まれるのを大事にしている企業なので、元々変化を受け入れやすい土台があったんだと思います。

実際仕事をするときに必要な情報も会社に行かないと無いということはなかったですね。みんなオンライン上のチャットでコミュニケーションをとっていますし、一部の社内ファイルサーバを除いて、全部インターネットからアクセス可能なので、環境としても、会社の文化としても、実はリモートワークが可能だったという感じだと思います。

じゃあ、リモートを始めるからと言って、わざわざ何かを整備する必要性はなかったんですね。

新沼氏

そうですね。唯一、たぶん必要だったのは、人事査定関連でしょうね。働きっぷりはどうであったとかいう判断が、社内にいると頑張り度合が見えるんですけど、僕のようなリモートワーカーは見えないじゃないですか。

そうですね。

新沼氏

アウトプットでしか表現できないので、アウトプットだけでいいのか?何をもってリモートワーカーを評価するのがいいのか、まだ会社として試行錯誤している段階だと思います。

なるほど。今のところはアウトプットのみで評価されているんですか?

新沼氏

そうですね。私もそれが分かっているので、意図的に何かを発信したりとかはしています。そうしないと、何をやっているのか分かってもらえないので。

単純な成果物だけでなく、プロセスもアウトプットすることを心がけている

じゃあ、成果を都度出していくというか、見える形にしていくようにしているということですね。

新沼氏

そうですね。単純な結果だけじゃなくて、プロセスとか、私がどう考えているかも書いたりします。それで失敗したら失敗したっていうのも含めて書いていますし。もがいて、もがいた結果こうなった、とチャットに書いたり、単純にアウトプットだけじゃなくて、そのプロセスもアウトプットする感じです。

なるほど。リモートワーカー側も、成果物以外の部分を見えるようにする努力が必要なんですね。

新沼氏

必要ですね。多分、今までオフィスで働いていた人たちが、いざリモートになった時、今までの仕事の仕方をそのまま家には持ち込めないと思います。人それぞれだとは思いますが、ある程度の考え方の転換が、僕は必要だと思います。

そこをもうちょっと詳しくお聞きしたいです。

新沼氏

分かりやすいところだと「毎日夜遅くまで頑張って、残業もしたし、できあがったね、お疲れさま」みたいな分かりやすい頑張り度合いが、僕の場合は全く見えないんですよね。できあがったものが良かったか悪かったということを評価されるんだと、こういう働き方を始める前から意識していたんです。

それはプレッシャーになっていますか?

新沼氏

それはあります。こういう働き方をさせてもらっているので、会社に恩を返すというか、成果を出すことが会社への貢献になるのかなと思っています。かと言って、別に苦しいわけじゃないですよ、楽しいですよ(笑)

二か月に一度の出社はコミュニケーションを補う場として活用

先ほどのお話にもあったんですけども、たまにはオフィスに行かれることもあるんですね。

新沼氏

あります、二か月に一度は、定期的に会社に行くようにしています。月1の全社会議があるんですけど、プロジェクトの状況にもよりますけど、行けたら行きますよという感じで、それが二カ月に一回ぐらいですね。行っても特に何をするってわけじゃないので、ほぼ飲み会なんですけど(笑)


でも大事ですよね。

新沼氏

「お久しぶりですね」とか、「名前を聞いてます」という関係の人たちが増えていくので、そこは僕がコミュニケーションをしに行く感じですね。あとは東京のお客さんとのミーティングをこのときにセッティングしてもらってお会いしたり、東京に行ってリフレッシュしてくる感じです(笑)単純に仕事だけをするのは、やっぱり家のほうが効率的ですね

どんなところがですか?

新沼氏

家だと環境作りがほぼ出来上がっていると思うんですね。生活のサイクルだったり、自分が使いやすい仕事環境というのも全部整えているので。会社に行ったら環境の変化があるんで、そこはもう割り切って、実際に話をする場であるとか、あとはテキストメッセージだと伝えづらいことや、誤解を生みそうな部分を補う機会だと捉えています。

自宅からリモートワーク中の新沼氏

自宅からリモートワーク中の新沼氏

直接会って話すことの重要性は感じていますか?

新沼氏

はい。直接話さないと、空気感は伝わらないんですよね。この人怒っているんじゃないかとか、楽しそうだなとか、そんな感覚は会ったほうがより伝わります。リモートでも伝わらないわけじゃないですけど、より伝わるというか。そういうのをうまく使い分けると、リモートワークがうまくいくんじゃないかなと最近は思ってます。

今はいいとこどりですね。家で仕事がはかどって、東京でリフレッシュして。東京にいるときは何泊位されるんですか?

新沼氏

長いときは1週間位います。一緒に進めた方が早かったり、緊急対応するものが出たり、スピードを求められるものは、やっぱり実際に会ったほうが早かったりする部分があるので。あとは東京のお客さんと話す時間をちゃんと取ったりとか。なので1週間位だと「ずいぶん東京にいたな」って感覚になります。

 

自分の中の楽しみ、リズムをつくるのはすごく大事

では、ご自宅で仕事をする際の1日の流れを教えてください。

新沼氏

はい。朝は7時前には起きているんですけど、会社の営業時間は9時半から18時半の間なので、7時ぐらいに起きて、朝ご飯を食べたり、家事をしたりします。

家事!素晴らしい。

新沼氏

家ならではなので、洗濯したりゴミ捨てなどを朝の時間にやったり、あとは前日に残ったこととか、始業前に進めたいことだったりをして、それで9時半を迎えます。
9時半に始まったら、先ほど最初にお話しした通り、東京の本社と島根拠点とリモートをしている富山の人間と私を、全部appear.inでつないで、朝の朝礼をします。うちはちょっと独特で、全体朝礼と言っても単純な連絡事項だけではなくて、Good & Newという特殊なことをします。毎朝3人がランダムで選ばれて、1人3分位、本当になんでもいいんですけど、「最近こんなお店に行って、これを食べておしいかったよ」とか、「ここに行きました、楽しかったです」のような仕事以外の話をする時間を設けているんです。それが終われば、何もなければ一言も喋らない日もあります。

新沼氏

朝礼が終わってから、これはオフィスもそうなんですけど、12時から14時の間までの好きなときに昼ご飯をとっていいんです。前にNHKの朝ドラの『マッサン』にはまっていたんで、朝に見逃したときは、お昼の12時45分からの再放送に合わせてお昼を食べていましたね。そういう自分の中の楽しみというか、リズムをつくるのはすごく大事だなと思います。そのお昼の時間でご飯も食べますし、買い物をしたり、用事を済ませたりします。

新沼氏

お昼の時間が終わったらまた仕事をして、18時半の定時で一度仕事を終わらせるようにします。残業とは僕は思ってないんですけど、18時半以降の残業はなるべくしないようにしています。仕事を終わらせたら、夕ご飯を作ったりして、奥さんが仕事をして戻ってきた後に19時、20時のゴールデンタイムに夕ご飯を食べて、20時ぐらいまでは、ニュースを見たりしながらのんびり過ごします。23時以降から1時ぐらいまでは毎日ではないですけど、技術書を読んだりする時間にあてています。

仕事をしすぎることを管理する。オンオフの切り替えが重要

ありがとうございます。東京本社の皆さんも18時半で皆さん終わりにしているんですか?

新沼氏

いや、もうガンガン残業していると思いますよ(笑)

(笑)

新沼氏

僕だけ特殊なんですかね、仕事が残っているとは思うんですけど、それをご飯を食べた後にやったりはするので、だから、その時間は残業じゃないかと言われたら残業なんだろうなと思うんですけど、僕からしたらそれは残業とは思わないなという感じなんです。僕の場合は自宅なので、ずっと仕事しようと思えば仕事できるんです。

仕事場は自宅ですもんね。

新沼氏

そうなんですよ。なので、意図的に区切ることがすごい大事だというのを、事前に知っていたんです。リモートワークを始める前に色んな本や、リモートワークをしている人が書かれた情報を沢山読んでいて、「オンオフの切り替えを大事にしないと、ずっと仕事をしてしまう」と皆さんが言っていたので。
本で読んで印象的だったのは「仕事をしないことよりも仕事をしすぎることを管理したほうがいい」ということですね。本当にそうだなと思いました。東京は残業をしているから、こっちも残業しないといけないとか、必要性を感じての残業じゃなくても、ダラダラ仕事をしてしまいやすい環境なんですよね。家なのでいつでもご飯を食べられるし、いつでも寝られるので。
あと、地味に大事にしているのは、寝間着のまま仕事をしないことですね。

着替えることが大事なんですね。

新沼氏

はい。いつでも外に出られる、外で着るような服を着て仕事をしています。スーツの人が出勤する前にスーツを着たりネクタイをするみたいに、僕はネクタイしたりはしないんですけど、自分の中のオンオフのスイッチを意図的に入れるようにはしています。

ありがとうございます!では、スイッチがオンに入ったとき、リモートワークはどんなところが良い点ですか?

 リモートワーカーと家族が認める、リモートワークのメリットとは?
~後編に続く~

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