リモートワークとツール

ルールやプロセスを変更しても、それを支えるツールがないと実現できません。

ここでは、カメラ等の機材と各種クラウドサービスを合わせてツールと定義し、リモートワークで必要となるツールの全体像を紹介します。

オンライン会議用機材

リモートワークで必要な機材はオンライン会議で必要となるモニタ、カメラ、マイク、スピーカー、イヤフォンなどがあります。

会議室などに設置して参加者で共同利用するケースと、各個人ごとで利用するケースがあり、それぞれで注意点が異なりますので、2つに分けて説明します。

共同利用のケースでは、会議スペースがオープンかどうか(周囲の音が入るかどうか)や、持ち運びが必要かなど会議スペースの環境に合わせて選択することが重要です。カメラとマイク、マイクとスピーカーのように複数の機能を備えた機材も多く、組み合わせを決めるのは大変かもしれません。しかし、機材の選び方で会議のクオリティが大きく変わることが多いため、安易に妥協せずしっかり検討しましょう。

個人利用のケースですが、最近のノートPCにはカメラとマイクが内蔵されているものが多く、それらを利用するだけでも会議を始められます。ただ、周囲のノイズが気になったり、自分以外の声が周囲に聞こえないようにしたい場合にはイヤフォンやヘッドセットがオススメです。

参考記事
リモートワークラボ編集部オススメ機材

リモートワーク企業専用ツール

クラウドツールは多種多様ですが、リモートワークを実施している企業を前提としたツールから紹介します。

バーチャルオフィス

数はあまり多くはありませんが、リモートワークに特化したコミュニケーションツールとして、バーチャルオフィスツールがあります。
特定メンバーで閉じていた従来のグループチャットと異なり、仮想的なオフィスに在席する社員がお互いの存在を認識し、自由に集まって話をすることができます。

特に、誰と誰がコミュニケーションをとっているかを可視化し、各自の意思で任意の会話に参加できるようにすることで、組織の一体感やチームワークが生まれやすくなります。
本格的にリモートワークに取り組みたい場合や、働く場所による不公平感を解消したい場合には、非常に効果的です。

Remotty(リモティ)
https://www.remotty.net/
カメラで顔を自動撮影して共有する機能や、各メンバーが自由に集まって雑談できるチャット機能が大きな特徴です。オンライン会議ツール連携や掲示板の機能も備わっており、リモートワークに必要な機能が集約されています。

Sococo(ソココ)
https://www.sococo.com/
オフィスの図面を上から眺めたようなUIが特徴で、会議室への移動やドアの開閉など、現実世界の行動を模した表現を積極的に取り入れています。

業務時間管理

リモートワークではカードリーダーを使って入退室の時間を確認したり、ちょっと作業している様子をのぞいてみるといったことが困難です。
そのため、管理者は「いつ作業しているかわからない」「本当に作業しているか心配」といった懸念を持ちやすくなります。また、作業者にとっても「頑張りが伝わらない」といった問題も出てきます。

オフィスワークを前提としたタイムカードは多くありますが、ここではリモートワークのニーズに合わせて、時間計測と業務見える化に特化したツールを紹介します。

F-Chair Plus(エフチェアプラス)
https://fchair-plus.jp/
着席、退席をワンクリックで記録でき、細切れの時間も正確にとらえて合計できます。着席時には画面キャプチャを自動撮影する機能が付いているので、作業の様子がよくわかります。作業者にとっても適度な緊張感が生まれたり、頑張りを伝えられるといったメリットがあります。

Worksnaps(ワークスナップス)
http://www.worksnaps.net/www/
あまり日本では知られていませんが、グローバルなチームに対応した業務時間管理ツールです。画面キャプチャの自動撮影やプロジェクト単位での集計ができます。日本語には対応していませんが、時差があっても問題なく利用できるため、グローバルなチームにオススメです。

オンラインコミュニケーションツール

対面での相談や議論、会議のために必要なツールを紹介します。
グループチャット・オンライン会議

1対1または特定メンバー間でチャットやオンライン会議ができるツールです。たくさんのツールがあるため、代表的なものを取り上げます。

Skype(スカイプ)
https://www.skype.com/ja/

Zoom(ズーム)
https://zoom.us/

Googleハングアウト
https://hangouts.google.com/?hl=ja

Appear.in(アピアー・イン)
https://appear.in/

チャットワーク
http://www.chatwork.com/ja/

WowTalk(ワウトーク)
https://biz.kingsoft.jp/wowtalk/

Slack(スラック)
https://slack.com/

Skype、Zoom、Googleハングアウト、Appear.inはオンライン会議(通話)用のツールとして使われることが多いようです。
主な機能は同じですが、Zoomはワンクリックで録画ができるため、「オンライン会議に出席できないメンバーにあとで共有」といったことが簡単にできます。Appear.inはアカウントの作成や承認といった操作が不要で、任意のURLを自分で作成してそこにアクセスしてもらうだけで会議が始めらるため、開始までのステップが少ないことが特徴です。

チャットワーク、WowTalkはチャット機能を主軸としながらオンライン会議の機能も備えており、企業が導入するビジネスチャットとして注目を集めています。

Slackにはオンライン会議機能はありませんが、様々なオンライン会議ツールと連携することができます。海外で非常に人気の高いチャットツールで、日本でもIT業界を中心に利用者が増えています。

TalkTreeは議題という単位で話題を整理しながらコミュニケーションできる点が特徴です。また、各投稿の既読状況がプログレスバー形式で表現されていて、確認状況を一目で把握することができます。

各サービスの機能詳細は各サービスサイトをご確認ください。

テキスト共有・議事録

メモや文章を共有したり、会議で議事録を残すときに便利なツールです。

Evernote(エバーノート)
https://evernote.com/

Googleドキュメント
https://www.google.com/intl/ja_jp/docs/about/

quip(クウィップ)
https://quip.com/

DropBox(ドロップボックス)
https://www.dropbox.com/ja/

EvernoteやGoogleドキュメントが有名ですが、画面がシンプルで段落構造を簡単に表現できるQuipもオススメです。

このようなツールを活用すれば、オンライン会議で話しながらリアルタイムで議事録を作成することができます。ホワイトボードより書くスピードが速く、文章を消したり、移動したりすることが容易なので、非常にスピーディに議論を整理できます。

ストレージサービス

多種多様なファイルを保存しておくためのサービスです。安価で大量のファイルが保存でき、履歴や権限の管理も充実しています。
リモートワークに限らず利用企業が増えていますが、代表的なサービスを掲載しておきます。

Googleドライブ
https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/

OneDrive
https://onedrive.live.com/about/ja-jp/

Dropbox
https://www.dropbox.com/ja/

Box
https://www.box.com/ja-jp/home

GoogleドライブやOneDriveはオンライン上のファイルを編集するアプリが充実しています。GoogleドライブならGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、OneDriveならWordやExcelが利用できます。
DropboxやBoxはファイルの保管に特化したサービスです。Dropboxは日本でも非常に知名度が高く、個人を含めて広く利用されています。Boxは法人向けにサービス提供に注力しており、海外では大きなシェアを獲得しているようです。

タスク管理サービス

個人やプロジェクト単位でタスクを管理するツールです。こちらもリモートワークに限らず利用されていますが、ホワイトボードにタスクを張り出したり、プロジェクトのスケジュールを壁に張り出すといった運用をしている場合は、導入を検討してみると良いでしょう。

Trello(トレロ)
https://trello.com/

Jooto(ジョートー)
https://www.jooto.com/

Todoist(トゥドウイスト)
https://ja.todoist.com/

Redmine(レッドマイン)
http://redmine.jp/

Backlog(バックログ)
http://www.backlog.jp/

Trello、Jootoはカード型のUIが特徴的なツールで、個人から企業まで幅広く利用できます。TodoistはGTDメソッドに合わせたシンプルなタスク管理ツールです。
RedmineやBacklogはシステム開発のプロジェクト管理に必要な機能が充実しています。