【リモートワークの活用。移住した鹿児島で、やりたいことを見つけて再スタート】~後編 新沼 貴行氏

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「チームで働くリモートワーカー」を応援する【リモートワークラボ】がお届けするインタビュー企画。
この企画では、リモートワークを推奨している企業の社長やリモートワーカーに、リモートワークを取り入れている理由、チームが機能する仕組みをお話いただきます。

株式会社モンスター・ラボ テクノロジスト 新沼 貴行氏

2004 年から2010年まで東京のSIerに勤務。2010年から2014年月まで鹿児島でシステムエンジニアとして従事。2014年モンスター・ラボへ Joinし鹿児島と東京間でのフルタイムリモートワークに。金融系・物流系業務系Webアプリケーション開発、また通信情報系企業の資産管理セキュリティ システムのサーバ管理者として保守運用とハードウェアやネットワーク障害対応も経験。Amazon Web Servicesのコミュニティ「JAWS-UG」の鹿児島支部長。

リモートワークなら自分のペースを遮るものがない

実際にリモートワークを始めてみて、リモートワークのいいところと悪いところが実感としてあれば教えてください。

新沼氏

いいところは、自分のペースを遮るものがないことです。あとは先ほど話しましたけど、自然とアウトプットすることができる点ですね。例えば社内のメンバーでは、Qiita:Teamというものを使っていまして、チームをつくって、仕事で役立ったTipsとかを気軽に書いて溜めていくことが出来るんです。そういうのを細かくても書き残していくことが自然に出来ているかなと、これはいいところかなと思いますね。社内にいれば、そこにいる人に聞けば分かってしまったりするので、資産にならないんです。リモートだからこそ書き溜めることを意識的にしています。

新沼氏

あとは、弊社はヘッドホンをしながら仕事をしてもいい会社なんですけど、さすがにオフィスでは歌は歌えないと思うので、リモートなら歌えるというのがいいところですね(笑)好きな歌を歌ったりとか、エンジンかけるときにテンション上がる曲をかけたりとか、ノリノリになりながらやったり出来るのはいいかなと。

分かります(笑)

新沼氏

それから、さっきから言っていますが、家事が出来る点ですね。いいところと思う人もいれば、煩わしいと思う人もいるかもしれない。

いいところですよ!

新沼氏

いいところですね(笑)家事ということであれば、リモートワークに関するインタビューを事前に妻と話していて、郵便物とか通販の受け取りを、「いつでも受け取れるんだから、時間帯を気にしなくていいっていうのがあるよね」と言ったら、「それはピンポイントすぎるからどうなのかな」と言われました(笑)あとは、夕ご飯を一緒に食べることができる。

いいですね!

新沼氏

前職時代は、通勤時間が長かったりとか、仕事がすごく忙しかったりして、そうなると先に奥さんがご飯を食べていることが多々あったんです。でも今は19時、20時とかのタイミングで一緒に食べたりとか、料理を手伝ったり出来るので、そこはやっぱりいいところだなと思っています。

「この書き方だとちょっと誤解が生まれるんじゃないかな」と思ったら、Skypeに

では次にリモートワークで不安な点をお願いします。

新沼氏

不安なところは、雑談したいときになかなか出来ない点かなと思います。集中力が高い状態は永遠には続かないので、そこを補うというか、落ちてきた時に雑談して、集中力をまた上げていくことが大事かなと思っているんですけど、なかなかそれが難しいですよね。自分でエンジンかけるために僕は歌ったりとかするんですけど(笑)

新沼氏

あとは、これは今のところ僕は感じてはいないですけど、「私がいないところで大事なことが決まっていることはないか」という点ですね。後から「もう決まっていました」とか、「こうなりました」と言われたとしたら、信頼関係に関わってくるかなと思います。

それから、さっき最初のほうでもお話した、社内の評価査定の判断がどうなっていくのかという点ですね。もっと気軽な面では、「一緒にお昼ご飯を食べに行こう」とか、「今日帰り飲みに行こうよ」とかが不可能なことでしょうか。

なるほど。

新沼氏

「飲みに行こうよ」なんて誘う相手がいないので、やっぱり自然と外で飲んだりすることはなくなりました。
最後に、リモートワークではテキストメッセージがコミュニケーションをする上でメインになるので、それでも十分ではあるんですけれど、本来の自分の気持ちがちゃんとそれで伝わっているのか不安に思います。

以前、僕はそういう意図で書いてないけど、「怒って書いている」と受け取られてしまった投稿があって、その時は後から「新沼さん、怒ってないよね?」と確認してもらって、「怒ってないですよ」と誤解を解くことはできました。「でも私は、怒っているのだろうと捉えた部分があったので聞きました」と言われて、気を付けなければいけないなと思うようになりました。

そこから何かコミュニケーションの取り方で変えた点はありますか?

新沼氏

今は「こう書くとトゲがあるな」とか、「この書き方だとちょっと誤解が生まれるんじゃないかな」と思ったら、Skypeにしています。これは感覚的なところにアンテナを張ってないとたぶんズレるんです。その「お互いの認識に齟齬があるな」と思ったタイミングで、それを見過ごしてしまうとやっぱりこじれるので、そこのアンテナは、僕は高く持っています。

「帰ってきたときに、おかえりって言ってくれる人がいるのは嬉しい」

次にご家族の方のリモートワークに対する感想を教えてください。

新沼氏

「最初は自宅が職場になることで、オンとオフの切り替えがうまくいくのかどうか心配だった」と言っていました。実際は夜遅くまで仕事することもやっぱりあるんですけど、心配していたような、「ずっと仕事中」っていうことにはならず、ちょっと安心している」と言っていました。あと、妻が妊娠中でして。

おめでとうございます!

新沼氏

10月に生まれるんですけど、「妊娠中でつわりがきついときに自宅にいつもいてくれるという安心感があった」ということは、言っていました。仕事前に職場まで車で送って行ったりとか。

新沼氏

「晩ご飯の買い物をしたり、すべて世話になった部分もあったので、こういうのはやっぱりリモートじゃなないと出来ないなと思い、ありがたさを感じていた」と言っていました。あとは、僕にとっては鹿児島は本当に縁もゆかりもない土地なんですけど、「結婚のために鹿児島に来てくれたことを非常に感謝している。東京と違って恵まれた環境ではないし、友人もいないし、独特な方言もあるので、そういう土地で改めて再スタートっていうのはすごく大変だったんじゃないかな」と言ってました。「そんな中で、やりたいことを見つけて諦めずに頑張っている姿を見て尊敬をしていた」と。

素晴らしい!感動しますね!

新沼氏

こういうことを思っていたんだと、改めて聞いて嬉しいなと思いました。こうしてやりたいことをできているのは、やっぱりリモートワークじゃなければ実現できなかったと思っています。あと、僕はこの話もいいなと思ったんですけど、個人的に一番嬉しかったのは、「帰ってきたときに、おかえりって言ってくれる人がいるのは嬉しい」と言ってくれた点ですね。

様々な情報共有サービスを活用。大事だと感じたのは「マイク」

次にリモートワークを上手にするための方法やツールがあれば教えてください。

新沼氏

ツールに関しては、色々試行錯誤している部分がありまして、会社の中でも標準化されてはいないので、僕が今使いやすいなと思っているところをご紹介します。
Skypeは音声でやる部分ではやっぱり一番やりやすい印象でしたが、最近Skypeに置き換わるんじゃないかなと思っているのが、ZOOM Cloud Meetingsというアプリです。ZOOMは実際の顔と音声と、あとはファイルを見ながら、話している内容を動画として保存したりできます。ハイビジョンでHD画像、HD映像で保存できるので、それは結構いいなと思っています。ベトナムにいるメンバーとか、バングラデシュにいるメンバーとかと使ったりしますが、音声も画像も映像もきれいで、これはすごくいいなと思っています。

新沼氏

仕事する上での基本的なところはチャットワークを使っています。全社のグループもありますし、各プロジェクトごとのグループとか、あとは若手のエンジニア版とか、特殊なチャットグループもありまして(笑)そこはわりとくだけたことも話をします。
そこをエンジニアにもっと使いやすくするために、最近はSlackを使い始めています。そこでは、僕はインフラのエンジニアなので、サーバーの状態をチャットワークとかSlackに投げたりとか。今ちょっとここのサーバーの負荷が上がっていますよとか、そんなこともチャットで受け取れたりとか、そういうような仕組みを作ったりしています。
あとは、バージョン管理はGitHubを使っています。GitHub上で課題管理とか、成果物の管理とかもしています。いっぱいツールはあるんです。
プロジェクト管理はBacklogです。そこは社内のメンバー以外の、実際お客さんとかもそこに参加して管理をしています。
以上が今使っている代表的なものです。

カメラなどの道具はいかがですか?

新沼氏

カメラはMacの内臓カメラはもちろんきれいな部分もあると思うんですけど、それ以外に付属のUSBでそのままつなげるカメラを使っています。リモートワークするときに大事だなと思ったのはマイクですね。マイクはしっかりしないと、ノイズが入ったり、声が小さい、遠いとか、キーボードの音がすごい響くとか、本当にストレスが溜まりますね。僕がこのリモートワークを始める前にまず買ったのはマイクでしたね。

今お使いのマイクは何ですか?

新沼氏

ブルーマイクロフォンYetiです。そんな安いものでもないですけど、音声で声が途切れて聞こえづらいとは一度も言われてないですね。

仕事用とプライベート用できっちりと切り替える

新沼氏

リモートワークの工夫としては、僕はウェブブラウザでGoogleのクロームも使っているんですけど、プロファイルという機能があってユーザーを切り替えられるんですね。なので、ブックマークとか、拡張機能とか、エクステンションとかを、仕事用とプライベート用で切り替えることが結構大事だなと思ってます。やっぱりプライベート用っていろんなサイトが入ってると思うんですよ。ファッションとか、息抜きのものとか。僕もFacebookとか、Twitterとかは普通に見てはいるんですけど、仕事用はやっぱりプロジェクトに関するような技術の情報だったりとか、それぞれ仕事に関するブックマークをまとめてるんですけど、それはプライベートには必要ではないので、ちゃんと意図的に切り替えてやるようにはしてますね。
あとは、本当に運動をしなくなっちゃうんですよ。

(笑)

新沼氏

運動するという時間をつくらないと本当に運動不足になってしまう。だから、通勤時間って実はみんな運動してるんだなと思いました。

新沼氏

通勤は、階段の昇り降りももちろんあると思うんですけど、朝の仕事モードに入る時間という意味で、実は大事なんじゃないかなと思ってはいるんです。ただ、それが長いとただのストレスになりますし、満員電車なんてストレスでしかないとは思いますけど。とにかく、運動するということは意識していますね。となると、「じゃあ、今日は定時に終わってジムに行く」とか、「今日は何時までやったら、ジムは休みだからランニングをしに行こう」とか決めるので、その時間に終わらせようという意識が働いています。

考えを伝えるパターンをいくつか持っておくというのは大事

新沼氏

それから工夫という点では、チャットでも真面目すぎることばかり書かないようにしてます。

雑談を入れるということですか?

新沼氏

いれます、いれます。Twitterを見てて、面白いと思ったリンクを貼ってみたりします。貼るんですけど、誰も反応してくれないときは寂しいですね(笑)

反応してくれる人はいますか?

新沼氏

いますよ、「真面目に仕事して下さい(笑)」って反応が来るんですけど、僕としては「真面目に雑談してるんだよな」って感じです。だから、雑談を書いてもいい場所を決めてるんです。「そんなくだけたことを書く場所で仕事の話はしないでね」というのを僕はチャットの説明に書いてるんです。

新沼氏

「仕事の話をしたかったら別のところでやってください。ここは息抜きをする場所なので、それを持ち込まないでください」っていうのを先に書いてあると、みんな分かりやすいじゃないですか。僕がつくりたかったのでつくったんですけど。

それはコミュニケーションのためでもあるんですか?

新沼氏

そうですね。コミュニケーションのためですね。お互い人間なので「今日はどんなことがあったよ」とか、「今は何々を聞いてるよ」とか、「それいい曲ですね」とか、そういうことを話したりもします。
あとは、考えを伝えるパターンをいくつか持っておくというのは大事だなと思いました。先ほど言いましたけど、齟齬が生まれるなと感じたら、なるべく先手を打つとか。あとはテキストベースだとちょっとこれは分かりにくいなと思ったら、ビデオ会議や、簡単に絵を描けるツールがあるので絵を描いて説明したりとかというのを工夫はしてますね。

与えられたことをしっかりやる人と、自分でこれをやると決めて結果を出すのは、ちょっと違う

では最後に、今後の会社の方向性を教えて下さい。

新沼氏

弊社は会社の文化と仕事をする上での環境という部分では、リモートワークを実現しやすい会社ではあると思います。現在オフィスで働いているエンジニアも「そういう働き方を私もしたいな」と言っている人たちが少なくないんです。なので、そういうことができる会社になってくると、今の社内の人間がどんどんリモートに移ってくる可能性もあるんじゃないかなとは思います。
私みたいに最初からリモートっていうのは特殊な例だと思うので、なかなかそういう人が次に生まれてきてはいないですけど、ただ今回のこの取材のようなことを通して、弊社がリモートワークができるということが表に出ると思うんですよ。こんな人がいて、こんな働き方をして、こんな風に考えて日々を過ごしているということが伝わるといいなと思います。

リモートワークに向いている人はどんな人ですか?

新沼氏

その質問は難しいですね。社内で優秀な人が、リモートで出来るかと言われたら、僕はすべての人には当てはまらないと思うんです。与えられたことをしっかりやる人と、自分でこれをやると決めて結果を出すのは、またちょっと違う気がするんです。
なので、ちょっとずつ、社内の人間も試すことができる環境になればいいなと私は思います。「リモートでやりたいな」と思ったらチャレンジ出来たり、「毎日だとちょっと厳しいから、週に1回位は家でやりたいな」と選べることができるともっとよくなるなと。

新沼氏

ですがその前提には、やっぱり一定期間一緒に働くなり、事前のお互いの信頼関係作りが大切だと思います。私も最初はオフィスで一定期間働いたので、いきなりリモート採用ではないんですね。

どのくらいの期間オフィスでお仕事されたんですか?

新沼氏

二カ月間ですね。事前に会社に「こういう考えです」と伝えて、二カ月ほど東京で働いて、その後に鹿児島に戻ってリモートになりました。やっぱり最初に仕事をする上で、人間関係作りというか、今後一緒に仕事をするのはどんな人たちなのか実際に知っておきたかったので、オフィスで働く期間は設けました。

「働く側」も「会社側」もお互いに「見極め」が必要ということですね。

新沼氏

そうですね。

ありがとうございます。すごく色々なお話が聞けて楽しかったです!

 

 鹿児島からのフルリモート!単純な成果物だけでなく、プロセスもアウトプットする
~前編はこちら~

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