【東京、京都、パリ】世界中のメンバーでリモートワークするにはコツがあった 後編~AQ株式会社

リモートワーク
「チームで働くリモートワーカー」を応援する【リモートワークラボ】がお届けするインタビュー企画。
この企画では、リモートワークを推奨している企業の社長やリモートワーカーに、リモートワークを取り入れている理由、チームが機能する仕組みをお話いただきます。

AQ株式会社 デザイナー 長瀬氏

AQを共同設立。聞くことから始まる関係を大切にしており、常によい耳をもつことに努めている。AQでは、アートディレクションを通して、人から人へのサービスが届き、的確なメッセージが織り込まれているかに配慮している。

大切なのはツールよりもその使い方

おすすめというか、よく使っているツール、Slackの他に何かあれば教えてもらえるでしょうか。

長瀬氏

やはりGoogleハングアウトはすごくよく使いますね。

主にコミュニケーションで使っているのはSlackなのですね。業務上のやり取りで、便利なツールやソフトはありますか?


長瀬氏

Basecampですね。また、TrelloHarvestというツールはタスク管理で用いています。

ありがとうございます。

長瀬氏

ツールはリモートワークだから何かした特別なものを使うのではなく、日常的に使っているものと同じです。大切なのはツールよりもその使い方が大事だと考えています。

なるほど。ちなみに、ミーティングが多いということですが、カメラとかマイク等は何かこだわりはありますか?

リモートワーク
長瀬氏

カメラとマイクはベストなセッティングを模索中です。特にカメラの位置はとても大事だと思っていて、カメラの位置や映し出す大きさによってその人の印象が変わったりするので。その辺は色々工夫をしながら、試している状況です。

ありがとうございます。

採用のポイントのひとつとなるのは自分で時間管理をできるかどうか

採用に関して、どのように実施されていますか?

長瀬氏

はじめからリモートワークを前提で採用をしたことはないですが、リモートワークできる人なのかどうかという点はポイントのひとつですね。もしも今後、リモートワークすることを前提として採用することがあれば、まずは信頼関係を築いてからとは思います。

リモートワークに向いているか、向いていないかという判断基準は何かあったりしますか?

長瀬氏

判断基準としては、「この人は自分で時間管理ができるか、できないか」という点があります。仕事をしていて、「この業務は大体どれぐらいかかるのか」とか、スケジュールを立てる上で、どのタイミングでミーティングを入れたらうまくいくのか、などを考えられる人などです。あと、指示をされて動くだけではなく、責任感を持った上で、何か目標を持って仕事に取り組める方ですね。こういった点はリモートワークに限らず、共通に求められる能力だと思いますが。

リモートワークで1人ひとりに最適な働き方を実現できる

次に、既にいくつか出していただきましたが、リモートワークの良い点を、マネジメントをする立場からと、実際に働いている立場の方からお伺いしたいです。

長瀬氏

マネジメントをする側から感じる良い点は、先ほども言ったように、場所にとらわれずに能力の高い人と一緒に仕事ができる点です。これは国際的なチームに限らず当てはまることですが、それぞれライフステージによって居住地も生活も変わることは当然だと思います。そういった点に柔軟に対応しながら一緒にいい仕事ができる点が一番いいところです。

なるほど。

長瀬氏

人によって、リモートワークだと集中できないって人もいるので、さまざな人それぞれに最適な働き方が選択できるというのが良いと思います。

リモートワーク

よく他の会社のインタビューでも、リモートワークの場合は「世界中から採用できる」というお話を聞きますが、AQ様はそれを本当に実施されている点がすごいですよね!

長瀬氏

ありがとうございます。

議題によっては、相手の表情を見ながら話せるようなツールを用いる

リモートワークを実施する際の不安な点、難しい点を、こちらもマネジメントをする立場からと、実際に働いている立場の方からお伺いしたいです。

長瀬氏

不安な点としては、やはりコミュニケーションの部分ですね。お互いに信頼関係を得てやっていけるかどうかっていうのは、やはりいろんなコツみたいなものがあると思うので。

なるほど。コツとはどういったものでしょうか?

長瀬氏

1つはリモートワークのためのツールを議題によって使い分けることです。例えば、この議題は、チャットだとどうしても解決しないような方向にいくのではないか、という場面があります。「これは今度ハングアウトしたときに直接議題にしよう」とか、その辺の判断は明確にありますね。

もう少し詳しく教えていただけますか?

長瀬氏

こういった判断は、もともと各個人が持っているコミュニケーション能力による部分になってしまいますが。例えば、メールやチャットではなく、顔を見合わせて直接話し合うべき議題というのがあります。こうした議題は、チャットでは永遠に終わらなくなってしまうだけでなく、チャットで話したことで帰って話が悪い方向に向かってしまう場合もあるので。そのため、そういう種類の議題を話すときには、ハングアウトなど顔と表情を見ながら話せるようなツールを使いましょうなどというケースになることが多いですね。そうした判断は、議題が出たときに、「これはチャットだと難しいから、続きはハングアウトで話してくれる?」などをお互いに言ったりすることで学んでいきます。

なるほど。

リモートワーク
長瀬氏

二つ目は最近試したことなのですが、状況によって、同じ社内にいてもあえて別々にオンラインのミーティングに参加するということです。例えば、東京オフィスの2名と京都にいる1名がオンラインのミーティングするとしますよね。そうした場合、いままでだったら東京の2名がひとつのスクリーンでハングアウトに参加していたのですが、そうすると2対1みたいな関係に陥りがちです。それを避けるために、東京のオフィスに2人いても、あえて別の部屋からハングアウトに参加することで、3人が同じ立場で話し合うことができるのです。「こんなに関係性が変わるのか」と最近発見し、取り入れています。

仕事以外の話をする機会を「あえて」設けることが大切

朝礼はあまり頻繁に実施していないのですか?

長瀬氏

プロジェクトベースで朝礼を実施しています。毎日進捗確認をしたほうがいいプロジェクトの場合は、スタンドアップミーティングとして実施するなどしています。

それとは別に、週に1回、全体ミーティングというものを実施しています。そこではプロジェクトについての共有や、仕事の話題に限らず、プライベートの話題も含めた近況や、今興味があること、最近行った場所、または家族について等の雑多なことを共有する場としています。

なるほど。オフィスに全員が集まっていることも多いのですか?

長瀬氏

そうですね。ここ1年ぐらいは、パリオフィスと国内のメンバーと、個人的にリモートで参加する社員をハングアウトでつないで全体ミーティングを実施するというのが多いです。

パリと国内のメンバーとで全体ミーティングを実施することによってどういったメリットがうまれたと感じますか?例えば、一体感や仲間意識が芽生えるなどでしょうか?

長瀬氏

連帯感は生まれると思いますね。リモートワークを実施しているからこそ、仕事以外の話をする機会をあえて設けることは大切だと感じます。

例えば、一緒のオフィスで働いていると、ランチなどといった会議以外の場面で当たり前のように会話をしますよね。リモートワークを実施しているとそういった機会が失われるので、全体ミーティングで、雑談をする時間を確保しています。

なるほど!ありがとうございます。

業務の進行状況を意識的に共有する

各業務のマネジメントはどうされていますか?

リモートワーク
長瀬氏

これはリモートワークの大切な点だと思うのですが、業務の進行状況は意識的に共有するようにしています。大抵の場合は様々なコミュニケーションツール上で行われますが、全体のデザインレビューも週一度設けています。これには、デザイナーやそのプロジェクトに参加しているメンバーに参加してもらって行います。オフィスにいるメンバーとリモートワークしているメンバーをハングアウトで画面シェアをしながらデザイン業務の進捗を共有しています。

皆が一同に集まるタイミングで社員旅行を企画

社員旅行は実施されていますか?

長瀬氏

年に1~2回実施しています。また、パリオフィスと京都のメンバーにも、定期的に東京オフィスに出張に来てもらい顔を合わせています。長い間会わないと、仕事に影響することもあると思います。社員旅行も全員が参加できるようにスケジュールを組んでいます。

社員旅行って、日本人以外にも馴染む文化なのですか?

長瀬氏

案外馴染んでいますね(笑)

リモート

ちなみに、社員旅行先では何をされますか?

長瀬氏

普段パソコンに向かっていることも多いので、体を使うような企画にしていますが、たまにワークショップなどで頭を使うことも実施しています。

なるほど。体と頭両方をバランスよく使うようにしているのですね!

社員UX。会社の方向性は社員がどう働きたいかで柔軟に変更する

最後に、今後の会社の方向性、目標をお聞かせください。

長瀬氏

弊社で通常おこなっている業務では、サービスをデザインする際には使い手のことをよく知り仕組みをデザインすることを大切に考えています。組織を作る際にも、メンバーがどう働きたいかという点を把握し、それによって会社の仕組みも変えていきたいと思っています。例えばデザインレビューを週に1回実施していますが、リモートワークでデザインレビューを実施することには壁もありました。そこで、社員からインタビューなどで意見を集め、ベストな方法を模索しました。基本的に毎年どんどん変わっています。

長瀬氏

社員UXみたいな感じですね(笑)社員のエクスペリエンスを常に意識して取り入れていくことを重視しています。

ありがとうございます。今日はリモートワークについて聞きたいことは本当にたくさん聞けました。ありがとうございました。

長瀬氏

ありがとうございました。

世界中の人と仕事をする。居住地から仕事を選択しない働き方

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