『制度にしない』という信念が生み出す働きがい 〜 株式会社アトラエ(前編)

リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、「リモートワークは普通!」になっている会社を紹介していきます。今回は、多様なワークスタイルを採用し、「働きがいのある会社」として高く評価される、株式会社アトラエ様にお話を伺いました。
 
“世界中の人々を魅了する会社を創る”というビジョンのもと、社員一人一人が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、社員から様々な提案がなされるという非常に柔軟な組織。そのユニークな思想や働き方に対する信念、それぞれのワークスタイルについて伺いました。


堂前 繁樹

堂前 繁樹どうまえ しげき

株式会社アトラエ
2008年アトラエに入社。転職サイトGreenのシステム全般を担うエンジニアとして従事。
エンジニア業務以外にも社内の評価制度の構築や、社内の別事業であるwevoxのPVにて役者として参加するなど活動範囲は多岐にわたる。
紺谷 昌充

紺谷 昌充こんや まさみつ

株式会社アトラエ
学生時代から舞台役者・自主映画監督として活動しながらフリーランスのWebデザイナーとして従事。アトラエには、2007年からアルバイトとして勤務した後、2011年より正社員として入社。 現在は転職サイトGreenのメインデザイナー。
南 香菜絵

南 香菜絵みなみ かなえ

株式会社アトラエ
地元福岡にて個人向け営業や、ミャンマーでの新規事業立ち上げを経験後、2015年アトラエに入社。現在は広報を担当。

「必要だったから」リモートワークしました。

アトラエさんは求人メディア(『Green』 https://www.green-japan.com/)や、組織改善プラットフォーム(『wevox』 https://wevox.io/)などの企画や開発・運営を行なっているんですね。エンジニアなど比較的リモートで作業をしやすい職種の方が多いかと思いますが、リモートワークを導入されたきっかけからお話し頂けますか?

リモートワークを「導入した」という明確な時期や制度はなくて。

紺谷

それぞれの事情で「こうしたいです」と会社に伝えて、「いいよ」みたいな感じで始まったんです。

離れた場所からオフィスに直接来ないで働きたいなと言い出した方がいらっしゃるんですね。その先駆者は…。

堂前さんですかね。

堂前

本当はもう1人僕の前にいるんです。結婚して、旦那さんが沖縄に行くので一緒に…と。当時雇用形態としては彼女は社員ではなかったので、社員で最初に遠隔で、と言ったら僕になります。2012年か、2013年頃ですね。

株式会社アトラエ

堂前さん、その経緯をお伺いしてもよろしいですか?

堂前

実家が北海道なんです。当時の家庭の都合で一旦戻ったほうがいいんだろうなと思って相談しました。

北海道に戻られた当時の御社では、web会議は頻繁に行われていたんですか?

堂前

そんなにはやってなかったですね。なので使うツールも特に決まってなくて…以前、大阪に支社を作ったことがあって、その時は全社会議をSkypeでやってましたけど、毎日の業務においてはあまりweb会議の文化はなかったと記憶してます。

とりあえず離れてみてから、試行錯誤してやり方を見つけていくスタイルだったんですね。

堂前

そうですね。いろんなツールがあることは理解はしてたので、何か使えばいけるんじゃないかぐらいの感じですね(笑)。

就業時間などは決まっていらっしゃるんですか?

特にないです。就業規則上コアタイムがある人はいますが、「何時までに出社してください、何時には退社してください」という決まったルールはないですね。

堂前

一応、「朝何時からミーティングしようね」というのがあるチームとないチームがあるんですけど、僕の所属するチームはありました。「その時間にはつないで話そうね」というくらいのライトなものでしたけど。

決まった時間にとりあえずつなぐことにしましょうということで、あとは自宅で仕事をして、メール、またはチャットでやりとり。

堂前

そうですね。

それはどれくらいの期間やってらしたんですか?

堂前

戻ってきたのが2015年なので、2、3年ですね。

その後遠方から仕事する方がどんどん出てきたり、なんてことは…。

堂前

いや、そんなになかったですね。

紺谷

仕事の効率を考えて、みんな会社周辺に住んじゃったりするんで、そんなに必要性を感じてないんだと思うんです。本格的にやったのは僕たち2人くらいですかね?

堂前

そうですね。続いてるわけじゃないです。たぶん今後も必要になったら、その都度使うんだろうな、というくらいで。

北海道や、沖縄などの地方に行って、というのはないんですけど、日常で「子どもがちょっとお熱なので」とか、「体調が悪いので」というのはよくありますね。

期間、距離、その日その時だけ…形は様々

紺谷さんは、どういった経緯で?

紺谷

私は子どもが産まれた時に、妻が二度目の大学に通いはじめて、実験などで忙しく帰りが遅かったので、保育園のお迎え時間に間に合わせるために自宅勤務をさせてもらいました。

保育園のお迎え問題、ありますよね。

紺谷

僕一人では全てできないので、お義母さんにも手伝ってもらうために、千葉にある妻の実家近くに引っ越しました。

微妙な距離ですね。通えないわけではないけど、通勤時間が長くなりますね。

株式会社アトラエ

紺谷

お義母さんに毎日頼むわけにもいかないので、週で半分ずつにしています。会社からお迎えに行こうとすると、16時ぐらいには会社出ないといけないので、お迎えの日だけ自宅勤務という感じですね。

リモートする日と出社する日がランダムにあるんですか?

紺谷

そうです。今も週2で自宅(千葉)、週3で出社です。

なるほど。オフィスから離れたところに住んで、規則的にリモートワークをしている方と、それ以外にも不規則にリモートを使ってる方がいっぱいいらっしゃるんですよね。

紺谷

はい。

その皆さんは、主に子育てや介護のためとかですか?

堂前

子育て系が多いんじゃないですかね。

紺谷

基本は子どもの体調か、自分の体調ですね。ただ、僕たちがリモートをしてる分、他のメンバーも「自宅勤務でもいいんだ」という認識は持っているんだと思うんです。だから、ちょっと体調が悪かったりしたら、「このまま家でやりますね」みたいなのは、普通に行なわれています。自分の体調もそうですけど、チームのメンバーに移すのもよくないですからね。うちは無理に出社して感染を広める方がよくないよねって文化かも知れない。

じゃあ、やっぱり最初にリモートワークをした堂前さんの存在があったから、みんなもちょっとリモートをカジュアルに使い分けるという風潮が出てきたんですね。

紺谷

私は多少あるとは思いますけど、みんなに聞いてないからわからないですね(笑)。

堂前

僕がどうこうというよりは、「うちの会社だとどうあるべきかな」と考えた上で、「リモートだっていいんじゃないか」という認識になっていったんじゃないかなと思ってます。

リモートワーク自体を特に制度にはしていないとお聞きしました。

そうですね。

そもそも出社のスタイルもそれほど厳しい縛りがあったわけではないので、そこにリモートで仕事しても、会社で仕事してもどっちでもいいですよという雰囲気になったんですね。リモートを使いづらい仕事とかもありますか?

紺谷

エンジニアやデザイナーと違って営業はそうですかね?

株式会社アトラエ

営業さんはリモートを全く取り入れていないんですか?

営業でいうと、例えばアポとアポの間が空きました、となった時に、その都度帰社しなければならない会社さんもあると思うんですけど、うちの場合はその間は最寄りのカフェで仕事をするとか、そんな感じでカジュアルにリモートを取り入れていますね。あとは朝出社せずに自宅から社内のミーティングに参加して、そのあとお客様のところに直行するとか。

お客さんとリモートを使って営業や打ち合わせをしたりするシチュエーションはありますか?

ありますね。そう考えると営業でもリモートを活用してますね。

ちなみに、ツールは何をお使いですか?

堂前

Skypeとか、あとはappear inとか。Slackとか…。

紺谷

私はChatWorkオンリーかな。そのチームによっても違うので。

会社内の常識というよりは、チームごとにバラバラなんですね。

紺谷

そうですね。

社員の生活と家族の生活は地続きになっている

みなさん大体オフィス周辺にお住まいというお話が少し前に出ましたが、会社に子供さんたちが帰ってくることもあるそうですね。

ええ、普通に社員の子供達がオフィスにいますよ。

紺谷

「お帰りー」って。エントランスの鍵開けてあげますもんね。

結構多いんですか?

まちまちですけど、毎日いる子もいますよ。小学校が終わって、オフィスに帰ってきて、お母さんと一緒に妹を保育園に迎えに行って帰る感じです。その間は、宿題をやっていたり、ぬり絵をしていたり、本を読んだりしています(笑)。

子育てをされてる方は、今、多いですか?

パパ、ママ両方合わせると全体の4分の1ぐらいですかね。「バーベキューするよ、お花見するよ、飲み会だよ、みんなおいで」みたいなのは、奥さまやお子様も一緒に参加してくれることが多いですね

社内イベントも、多くやりますか?

特に決まりがないので、「やりたい!」と言い出した人がやる感じです(笑)。

「制度にはしない」という信念

堂前さんみたいに、社員のほうから「ちょっと実家に帰りたいから、実家から仕事をしたいです」という相談があってリモートが実現しましたよね? そういうふうに社員から「こうしたい、ああしたい」みたいな相談や提案は積極的にありますか?

株式会社アトラエ

比較的多いと思いますね。例えば、私は慣らし保育の関係で今日は15時に子供をお迎えに行くんですけど、チームのメンバーに事前に相談して。残りの業務は家でできることになりました。他の会社さんだと、慣らし保育の期間中は一日お休みにしたり、午後は半休になったりすると思うんですけど、アトラエでは「やりたい」という気持ちがあればできるかぎりサポートしてくれますね。

申請や許可という概念は、あんまりないんですか?

アトラエでは基本的に「相談」ベースですね。申請をして許可を得る、というフローは少ないかも知れません。

リモートワークも制度じゃないですもんね。あえて制度や、許可みたいなものを設けない、ということに強い信念を感じますが、そのあたりは。

どうしても、制度にしちゃうと、使いにくい場面も増えてきますよね。よくあるリモートワークの制度みたいに、「月に何回まで」「週に何時間まで」としてしまうと、それに当てはまらない人が出てくるじゃないですか。
例えば、月に2回までだったとしたら、紺谷のように「週2回お迎えに行きたいです」という場合、どうしましょうかって話になってしまう。「子供のお迎えに行けないから会社辞めます」って言われたら、どっちも悲しいじゃないですか。みんながwin-winになるためには、週、または月に何回と決めない方がよかったりしますよね。社員が働きやすくて、家庭も守れて、生産性も高い、それがアトラエの理想なんです。決して生産性だけじゃなくて、本質的な目的を理解しあっていれば素敵だなと思います。


 
中編に続く

 

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土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。

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