「即レス」文化をなくせば、コミュニケーションはもっと穏やかで効率的になる〜Doist社(前編)

リモートワークをもっと当たり前の社会にするために、「リモートワークは普通!」になっている会社を紹介していきます。今回は、世界中で多くのユーザーを抱えるタスク管理ツール「Todoist」や、画期的なコミュニケーションツール「Twist」を開発している、Doist社のTodoist iOS エンジニア・長澤様にお話を伺いました!

世界26ヶ国、計62人(2018年10月現在)が思い思いの場所で働き、全社員が世界を股にかけたリモートワーカーだというDoist社。そのタイムゾーンの差を違和感なく埋めるために、新しい考え方でコミュニケーションツール「Twist」を開発されています。海外移住してリモートワークをされているという長澤さんの働き方、会社全体の仕事に対する考え方、タイムゾーンの違う人たちとのコミュニケーションの取り方などをお話しくださいました。


長澤光希

長澤光希ながさわ ひろき

Doist, Todoist iOS Developer
2017年5月にiOS DeveloperとしてDoistに入社。普段はポルトを拠点としていますが、ヨーロッパを中心に山やハイキングができるところにも働きつつ滞在したりしている。趣味は登山。
URL: https://pixyzehn.com

「ポルトガルで働く!」そのきっかけは?

Doistに入社された経緯からお伺いしてもいいですか?

長澤

以前から Todoist(※Doist社が開発しているタスク管理アプリ)というアプリは知っていたんです。私自身が個人でタスク管理アプリを開発したりしてまして、その時にTodoistのUIを参考にしたこともあって、「いいプロダクトだな」と感じていました。今になって思うとまさかここにジョインするとは思っていませんでしたね(笑)。

ちょっと運命的なものを感じてしまいますよね(笑)。

長澤

そうですね、今思えば本当に(笑)。
海外で働きたいという思いが以前からありました。できれば自分が以前から使っているようなアプリで、かつグローバルに使われているものに携わりたいなと思っていて。そこで改めて見つけた会社がDoistでした。しかもたまたま自分が希望しているポジションである、シニアiOSエンジニアを向こうも募集してたんで、早速応募して、入社するに至りました。

その前までは特にリモートで働く経験はなかったんですか?

長澤

そうですね。今までは日本の会社で働いていたんですが、そこでは毎朝オフィスに出社して、そこでミーティングがあって…と就業時間内は基本オフィスにいるというスタイルでしたね。

doist

ポルトの街並み

じゃあもう急に全く違う働き方に。

長澤

ええ。会社を変わった当初はリモートワークに対して少し不安があって、ポルトガルのポルトという都市に、直属の上司と一緒に働くメンバーがいたので、最初の1年間はポルトに行って、上司と一緒にキャッチアップしながら仕事をした方がいいかなと思って。移住を視野に入れた長期滞在という形でスタートしました。あとは、あまりポルトガルから働いている日本人のエンジニアはいないだろうとも思いまして。そういった人とは違ったこともやってみたかったんです。

最初から海外で働きたいなという思いはあったけど、「どこの国」と強い希望があったわけではなかったんですか?

長澤

最初はアメリカがいいなと思っていたんですけど、調べてみたらビザの関係で、難しいという印象を受けました。そこで、ドイツに住んでいる友人から、ベルリンだとIT系の企業が結構盛んだと聞いて、実際調べると募集しているポジションも多かった。いくつか応募して、オファーをもらったりもしてたんですけど、Doistとたまたま出会って、インターネットさえ繋がればどこで働いてもいい、というスタイルにも興味が湧いて、最終的にDoistを選びました。

「どこから働いてもいい」という中で、日本でもなく、興味のあったドイツでもなく、最終的にポルトガルに落ち着いたのはなぜですか?

長澤

先ほどもちょっと話題に出ましたが、最初はまずオフィスのあるポルトからワーキングホリデービザというものを用いて、しばらく滞在してみようと思いました。理由もよく聞かれますし、色々あるんですが、ポルトという街は非常に住み心地が良いんです。食事もすごく口に合いましたし、気候も良くて、湿気が少ないんです。ポルトガルやヨーロッパの文化や歴史を知ることもできますし、ヨーロッパの他の都市への移動や旅行にも便利な立地です。あとは物価ですね。比較的安くて助かります。

すぐに気に入って、運良くポルトガルに住むためのビザを会社からサポートしてもらえることもあって、しばらくポルトに住むことにしました。

結果的に良いルートだったんですね。他に拠点はいくつあるんでしょうか?

長澤

「拠点」というものはないと言った方がいいかもしれません。ポルトのオフィスも、ポルトに住んでいる人たちが使う作業場という感じで、特別にオフィスとしての機能があるわけではないんです。なのでそこの作業場に毎日来る人もいればほとんど来ない人もいます。全部で10人くらいかな…。一堂に会することは少ないです。リモートワークを全面的に導入している会社なので。

リモートワーク前提の会社なんですよね。珍しいですね。

長澤

Doistという会社は、元々はCEOのAmirが個人で開発した、Webのタスク管理サービス(Todoist)が始まりなんです。また会社自体も、投資を受けたり買収されることを目的としていません。開発しているものは、自社でも広く使っています。それぞれのサービスが生産性向上に関連するものであり、会社としても生産性については常にみんな意識しています。そのために1番良いスタイルが今の状態なんだと思います。

20カ国以上に及ぶ全社員が一堂に会する「Retreat(リトリート)」

社員はポルトガルにいる方が1番多いんですか?

長澤

そうですね。Doistの初期メンバーにポルトガルの出身の方が多くて、そういうこともあって、ポルトに行くと各チームのヘッドの方がたまたま集まってたりしますね。CTOの方も一応ポルトのオフィスにいます。

新しく採用された方にはメンター(指導役)がつくのですが、そのメンターが違う国の場合は、メンターのいる国へ会社の補助で数週間行くこともできます。単純に他のヨーロッパの国からポルトに遊びに来るメンバーも多いですね。

社員全体は何名くらいですか?

長澤

現在(2018年10月)は62人ですかね。

62人が世界中に散らばっているんですね。

長澤

そうですね。25か6の国籍だったかな。

基本的にやりとりする言語は…

長澤

英語ですね。

全社会議とかあったりするんですか?

長澤

会議自体はないんですが、社員旅行があります。「Retreat(リトリート)」って僕たちは呼んでるんですが、それが1年に1回どこかしらの国であります。ちょうど僕が入社する直前にあって、入社前でしたけど誘われて参加することができました。その時はギリシャのアテネで行われました。ちなみに去年はチリのサンティアゴで、今年はまだ未定です。Retreatでは、みんなが集まって、プロダクトや、今直面してる問題とか、新しく入社した人に色々説明したり、結構幅広いテーマについて話し合ったりしてました。期間は1週間くらいです。議論が一通り終わると、みんなでアクティビティをしたりして、コミュニケーションの場という形になってますね。それも会社が全面負担してくれます。

doist

チリ、サンティアゴでのRetreat

それはすごい!他にユニークな社内制度はありますか?

長澤

先ほお話ししたメンター制度も変わった制度のひとつかもしれませんね。あとは、技術カンファレンスや、チームメンバーだけのミニリトリートを開催することもできます。もちろん交通費などは会社負担で。リモートワークだからこそ、直接会える機会も時には重要だと考えています。

他にリモートワークならではかな、というところで言うと、コワーキングスペースやインターネットの費用をカバーしてくれることですね。健康食品とかジムも…。

健康食品。

長澤

そうです。健康面のサポートは気を使ってる感じがしますね。基本的には各自の責任ですけども、それにかかる費用はサポートしてくれます。あとは…バケーションですね。フルタイムの社員は年に有給休暇が25日もらえて、使うタイミングや日数は任意です。基本的にいつでも良い。

来年からは少し制度が変わって、祝日も含めて1年間に40日の有給休暇になります。というのも、国によって祝日ってかなり違うので、多い国に合わせる形になったんですね。

確かに、祝日は国によって全然違いますよね。グローバルな視点だ。

長澤

ですね(笑)。バケーションに入ると、バケーションであることがTwistやTodoistのアイコンで把握できて、基本業務上の返信とかはしないです。オンオフの切り替えを会社としても大事にするように推奨してますね。僕もバケーションの時は、普段のプログラミングとは全然違うことをするようにしてます。登山とか(このインタビューの直前もバケーションで山を登っていらしたそうです)。

後編に続く

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土佐光見

リモートワーク研究所研究員・ライター。 webショップの企画運営、web制作、ディスクリプションライティングを経験し、フリーランスに。リモートで働く二児の母。趣味は読書、観劇、俳句。

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