世界一美しい図書館でリモートワーク 旅するプログラマー カズさんの生存報告(5)

この企画では旅人プログラマー田中 一紀(通称カズさん)がオーストラリアで3ヶ月に渡って「旅」と「働く」を同時に行うワーケーションに挑戦します。現地からの生の声を日記形式でお伝えいたします。
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2019/01/08 過ごしやすいアデレード

年末年始にかけて灼熱地獄に辟易していましたが、現在アデレードでその疲れを癒やしております。アデレードは気候が非常に良い場所で、季節は真夏にもかかわらずほとんど気温は30度に届きません。湿気がなく乾燥しており、夜は気温が20度を下回るほどで非常に過ごしやすい場所です。(なんとなく北海道の気候ににているような…)

今回借りた宿は都心から車で15分ほど離れているのですが、ロケーションがものすごく良く、徒歩で超大型ショッピングセンターに買物に行けて、隣にメインのワークプレイスとなる図書館もあるという絶好の立地です。(日本でいうところの地方のデカいイオンみたいなものですね)

ここがアデレードでのホームグランドです。仕事、食事、買物が全て徒歩で済んでしまうという、モノグサ野郎には絶好の場所となっております。(最近ジムに行ってないし鈍るな…)

年末年始の日記ではちょっとドラマチックな展開がありましたが、今回はその後日談です。助けたあの日、なぜかボールペンを手渡されていました。すっかり忘れてカバンの奥底に潜んでいたそのペンを昨日の荷物整理で偶然発見したのでした。

早速ググってみます。キーワードに「boxing tractor」を入力したら一発目に出てきました。
http://adelaideboxing.com.au/

なるほど、彼(家族のお父さん)は元ボクサーでトレーナーをしている人物だったようです。アデレードでボクシングジムを経営して一般向けにボクササイズを教えているみたいです。場所が分かったので早速バスに乗って遊びに行ってみました。

ありました、倉庫を改造した感じのジムのようです。早速中を覗いてみると、自分を見つけるなり、来たのか!と歓迎ムードです。手ぐすねされたので中に入ってみます。

ちょうどボクササイズのレッスン中でした。こんな感じで皆真剣にトレーニングしていました。

レッスン終了後にカタコトですが、色々と雑談をし、お互いの素性を明かしました。(実はお互いに名前すら教えてなかった)彼の名前はカールソンで元はドイツ人。10年ほど前にオーストラリアに移住してきたらしいです。現在二人の子供は小学生で週2で日本語の勉強をしているとのことでした。(子供は日本語簡単とか宣っているらしいですw)

自分の名刺も渡しましたが、日本語のためカールソンは意味をほとんど理解できません。しかし、毎週行っているマッサージ屋に日本人がいるとのことだったので、その人に名刺を見せて内容を説明してもらってくれと言っておきました。(マッサージ師さん、任せます!)

ではでは。

2019/01/11 オーストラリアの車事情

オーストラリアに来て1ヶ月。ようやくオージー英語の訛りに慣れてきました。(例えばaの発音が”アイ”になります。3days→”スリーダイズ”ってな感じです)ブリスベンとか都会の人の英語は余裕で聞き取れたのですが、田舎に行くと聞き直すことがしばしばありました。特にかなりご年配の方の英語は致命的でほぼ聞き取れない状態です…。(こういう場合はもう笑顔でごまかすしかないw)

昨日からいつものようにリロケーションの車を手配し、アデレードからメルボルンに向かっています。距離は700キロちょっとなので、1000キロ超えデス・ロードを経験している自分には余裕の旅です

レンタカー会社から3日間の無料期間提示なのですが、追加料金を支払えばで最大3日の追加レンタルが可能です。メルボルン近郊には見どころがたくさんあるようなので、今回は3日追加し6日間の旅にしようと思います。

今回の相棒はこちらです。普通の乗用車なので、宿泊はモーテルかテント泊になります。季節が夏なのでなんとかなるでしょう。っていうか、既に昨日はテント泊しましたw

今回はオーストラリアのクルマ事情について。オーストラリアでは日本ではお目にかかれない自動車をよく見かけます。例えばこんな車です。

中国の起亜自動車にこんなSUVや韓国のヒュンダイ。日本進出は失敗していますが、AUSではかなり成功しているようです

こちら獅子のエンブレムはホールデン。オーストラリア唯一の自動車メーカー。ただし現在は自社で車の生産はしていないようです。海外メーカーの自動車をOEMで販売しているそうです。

オージーの若者が良く乗っているピックアップトラック。ローダウンで爆音バージョンがよく走っています。日本でいうヤ○キー御用達車というところでしょうか

日本車も多く目につくのですが、上に上げた中国・韓国の車をかなりよく見かける印象です。見ての通りデザインもだいぶ洗練されてきています。(どこかで見たようなデザインですがw)さらに価格もかなり安いみたいです。

レンタカーで何度かヒュンダイの車を乗りましたが、全然普通に走りますし、車の出来も日本車と比べてほとんど劣りません。(パワステの妙な軽さが昔のホンダ車を思い出しますw)

自動車を普段遣いという用途で考えるとオージー達の車の選択肢の有力候補になるみたいですね。おそらくこの状況は欧米でも起きているんじゃないかな。。日本車メーカー頑張れ!

今週日本は3連休みたいですので、いろいろと見どころを回ってみたいと思います。

ではでは。

2019/01/14 豊かな自然を満喫

大傑作映画マッド・マックスを生み出した国オーストラリア。さすがです、鳩まで傾(かぶ)いています。

ん?貴様もかー!w ということでかわいいモヒカンたちに巡り会いながら旅を続けております。日本が3連休の間にメルボルンに行く道中いろいろと回ってみましした。

先ずはグランピアンズ国立公園です。メルボルンから車で3時間ほどで行ける国立公園なのですが、ここは正直ちょっと残念な場所でした。ネットで見つけたオススメ場所ということで滝の写真があり、オーストラリアの滝だからスゲーんじゃね?とかなり期待感を持って向かってみました。

遠目で見てもあまり大きくなさそうです…。

降りたら登るのが大変なのは目に見えて分かっていたのですが、折角来たからということで覚悟を決め降りていきます。

んー、こんなもんか…。迫力的にちょっと期待ハズレ…。オーストラリアは国土が広く起伏が少ない土地ですので山岳リゾートがオージー達には貴重な存在のようです。滝自体が珍しいのだと思います。日本人は華厳の滝とか見てるからな…。

この後、帰りの登り道で死んだのは言うまでもありません。

翌日向かったのがグレートオーシャンロード。ここは超有名観光地です。たぶんどこかでこの風景の画像を見たことがあるかもしれません。

「十二使徒」ここは本物の絶景でした。メルボルンに来たら少し遠いですが絶対足を運ぶべきです。

こんな感じでヘリコプターの遊覧もできるみたいです。15分$145(約¥12,000)〜という感じ。列を作っているのはもちろん中国人観光客たちでした。(中国人はお金の使い方が派手ですw)

そしてグレートオーシャンロードをメルボルンに向けて進んでいきます。このあたりはビーチリゾートと別荘地帯なんですね。キャンプ場などはキャンピングカーやトレーラーハウスが所狭しと停まっていました。

デス・ロードのキャンプ場が閑散としていたのはこういうことだったんですね。夏といえば海。どこの国でも同じなんですね。ということで今週からしばらくメルボルンに滞在します。

ではでは。

2019/01/21 メルボルンの美しい街並みを堪能

メルボルン、かなりの都会です。オーストラリアに来てブリスベン、アデレードと都会生活をしてきましたが、レベルが全く違います。街自体がかなり広範囲に広がっています。

メルボルンのランドマーク、フリンダースストリート駅。夜はライトアップしていて東京駅の駅舎に雰囲気が似ているような気がします。街中に教会があるのがヨーロッパ的です。

で、今回は予算の都合で安い宿を探したのですが、街の中心からかなり離れた場所になってしまいました…。シティ(中心街)まで電車で1時間ほどかかるため、日本でいえば千葉で寝泊まりして電車で東京に出かけるみたいな状態です。(メルボルンの見どころはシティに集中しています)

安さで宿を探すのも考えものですね。移動時間と交通費などを考慮すれば、少し予算をオーバーしてでも、もう少し都心に近い場所の方が効率的に活動ができそうです。

今回は食のお話を。1ヶ月以上海外にいると日本食がかなり恋しくなります。(特にお米)メルボルンは以外ときちんとした日本食にありつくことができます。結構日本人が経営しているお店がネットで探すと簡単に見つかります。ありがたいことです。

今まで旅をしていて感じたのですが、どうもオージーたちに日本食が流行っているらしく、どこの街に行っても日本食らしきものを出す飲食店をよく目にします。しかし大体は中国・韓国系の人たちが日本食を装った店がほとんどです…。

とくに寿司はオージーのお気に入りでこんな感じの店がショッピングセンターには必ずあります。すしというより海苔巻きかな

何度か挑戦してみました。寿司といわれれば寿司なのですが、やはり何かが違います。具もそうですが圧倒的にお米が違いますね、こちらのお米は少しパサついています。日本のようなしっとりもちもちの食感では無いんです…。残念ながら。

一度アデレードの街中で見つけた日本料理らしい店にはやられました…。(店名は伏せておきます)店の外観と名前は純日本風だったので迷わず入ってメニューを見たところ、天ぷらがメインメニューでサイドメニューにおひたしなどが並んでいます。これは純粋な日本食レストランだろうと確信して親子丼を注文してみました。

しばらくして出された丼は見た目確かに親子丼です。味噌汁も付いていて出汁の味もきちんとします。しかし親子丼を一口食べて、安心していた私の脳みそに衝撃が走りました…。

「辛い。。。」 すげースパイシーなのです。。なぜか胡椒がたんまり入っています。

日本人と思っていた厨房の板さんの会話を注意深く聞いてみると、話していたのは中国語でした…。やられました。最近のなんちゃって日本食レストランの装い方もかなり高度になってきています。皆さんも海外に行った際には気をつけてください。

ではでは。

2019/01/24 世界一美しい図書館

ここどこだと思いますか?実は図書館です。メルボルンにあるビクトリア州立図書館で世界一美しい図書館とも言われているそうです。

ここの施設、全部無料で使えます。電源も無料、Wi-fiも無料(たぶん光。めっちゃ早いですよ)、水も無料です。(AUSは水道水が飲めます)メルボルンにきたらここで仕事をすると捗りますよーw

旅も中盤から終盤にさしかかってきました。メルボルンをオサラバして次の土地に向かいます。次はいよいよAUS最大の都市シドニーまで1,000キロの旅です。今回の相棒はこちら。Jucyちゃん号ですw。例のごとく4日間無料でのレンタルです。

Jucyとはニュージーランド発祥の格安レンタカーで有名なバックパッカー御用達のレンタカー会社です。オーストラリアを旅していると、若い旅人たちがグリーンと紫の派手なカラーリングの車がよく走っています。

こんな感じの車です。それがJucyのレンタカーなのですが、今回この車を借りるまでは派手な車でちょっと恥ずかしいなと思っていたのですが、実際に車を借りてみてこの会社の人気の高さをうかがい知ることができました。

キッチンシンクと冷蔵庫、カセットコンロなどが設置。屋根のテントを広げるとこんな感じ。こう見えて大人2人が余裕で寝れます。(+車中2人で合計4人)

車は格安だけあっていろいろとコストを切り詰めています。例えばベース車両はグレードが一番安いモデルでキャンピングの設備も前回のデス・ロードでお世話になったランクルに比べるとかなり貧相です。

しかしキャンプをするという目的のためのものは十二分に揃っていて、一番関心したのは細かい気配りが感じられるところでした。寝るための枕・シーツやバスタオルなどが人数分用意してあったり、料理に必要な細かい道具類が各種取り揃えられていました。

ただ価格が安いだけの会社ではなく、コストをかけずに顧客の満足を得ようとするその姿勢は素晴らしいですね。自分はこの会社のファンになってしまいました。(車はちょっと派手だけどw)

みなさんも海外でレンタカーを借りる際は是非Jucyを検討してみてください。(宣伝費は一切もらっておりませんw)

ではでは。

2019/01/27 首都キャンベラへ

メルボルンからシドニーの車旅の途中でAUSの首都であるキャンベラに立ち寄ってみました。なぜかAUSの首都は大都市から離れた場所にひっそりと存在します。(けっこうAUSの首都を間違えるのはこのせい?)

日本で例えるならば、大阪=メルボルン、東京=シドニーとしてみると静岡に首都機能が存在するような感覚だと思います。この街は水と緑が多くたしかに綺麗なのですが、整然とした構造物が多くあまり生活感がなくて、何と表現したら良いのかわかりませんが、とても無機質な感じがします。

こちらがAUSの連邦議事堂(日本でいう国会議事堂)です。大概国の建物は重厚感があって威圧感を感じるものですが、なんとなくモダンでスッキリしすぎていて存在感が薄い気がします。

こちらが国立図書館。 しかしさすが首都です、警察官が到るところにいます。ただでさえ目立つJucy号で活動していますから、車を停めてPCで作業しているだけですぐに警官に声を掛けられるという、非常に居心地が悪い街でした。見どころも特にあまりなさそうなので早々と街を後にします。

そしていよいよシドニーです。さすが南半球最大の都市、道路が複雑怪奇すぎてグーグル先生のナビも全く意味不明ですw。何度道を間違えたか…。(外国人も東京に行ったら同じなんだろうな。

まぁ、シドニーといえばモチロンここでしょう。 でもシドニーってオペラハウス以外何があるんだろう…。

騎馬警官が公道を闊歩していました。手前の黒い馬が黒王号みたいでスゲーかっこよかった。 (あの蹄でモヒカンが潰されたんだなw

図書館マニアがいるみたいなので図書館も。こちらがニューサウスウェールズ州立図書館。建物が歴史を感じれていい感じです。

中も雰囲気がすごい良いです。学生が沢山勉強しに来ていました。

こちらは街の図書館。AUSの図書館は概ね設備がよく整っていて本当に助かります。外が暑い昼間はまず図書館、というのが最近のルーティンです。

やっぱり建物がカッコいいです。古い建物を長く活用できるのは地震が少ないからだろうか?やはり地震が多い日本だとそうもいかないのだろうな…。

今回はスケジュールが少しタイトなのであまり長居できませんでした。シドニーはまた来る機会があるかなと思うのでよしとします。

次はゴーゴーウエスト〜ということで、来週からAUSの西の都市、パースに向け旅立ちます。車のスケジュールの都合でアデレードから乗り出しのため、シドニーから一旦アデレードに飛行機で飛んで車を調達する予定です。

まだまだ旅は続きます。

ではでは。

今回の移動距離

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この記事を書いた人

野本 司

リモートワークラボ編集長。株式会社ソニックガーデンに入社する前のインターンシップから現在まで、ずっとリモートワークで働いている。趣味の旅行を兼ねて国内外を飛び回りながら働く生活スタイルをしている。