テレワーク中の交通費、申請や支払いの方法は?【変更したら就業規則への記載が必要】

テレワーク導入のメリットの1つに「経費の削減ができる」があります。特に、出社しなくてもよくなるテレワークでは、交通費を大幅に削減できるでしょう。

今回は、テレワーク中の交通費について、どのような支払い・申請方法が取り入れられているのか、さらに労災についてもご紹介します。

出社日数によって支払い方法を変える

週5日の出勤の場合、電車やバスなどの交通機関の定期代を毎月「通勤手当」として支払っていることが多いと思います。しかし、テレワークでは、出社の必要がなくなるため、これまで通りの支払いでは高くついてしまいます。

出社日数が多い場合:定期代(通勤手当)を支給する
出社日数が少ない場合:出社した日数分の交通費を支給する

このように、ほとんどの企業が出社日数に応じて支払い方法を変えています。

交通費の申請方法は?

交通費の清算には、おもに以下の2つの方法があります。

申請書を提出する

規定のフォーマットに必要事項を記入して、上長もしくは経理に直接提出する方法。内容は、日付、訪問先、目的、交通機関、経路、運賃などを書くのが一般的です。

切符とICカードでは金額が異なるので、どちらで申請するのか、証明書や領収書を添付する必要があるのかなど、細かい部分までしっかり決めておきましょう。

ルールが浸透していないと、社員ごとに出し方がバラバラになり、経理スタッフの手間が増え、差し戻しのやりとりで時間もロスしてしまいます。

交通費精算システムで申請する

出社する日数が少ない場合、紙の申請書では、わざわざ交通費清算のために出社する必要が出てしまいます。そんな非効率なことをしないためには、遠隔で申請できるシステムを導入するのがおすすめです。

申請者にとっても経理スタッフにとっても使いやすいものを選べば、作業時間を短縮でき、その分、仕事に時間を回すことができるため、企業側と働く側のそれぞれにメリットがあるでしょう。

一方で、少額の振込みに毎回銀行の手数料が数百円かかってしまうというデメリットも。そのコストを削減するために、希望者には振込み手数料がかからないギフト券を選択できるようにしている企業もあります。

就業規則の変更も必要

通常勤務とテレワークで労働条件が同じ場合は、既存の就業規則のままでOKです。しかし、交通費を通勤手当支給から実費支給にするなど、これまでと労働条件が変わる場合には、就業規則の変更が必要になります。

就業規則に定める必要があること

・テレワーク勤務を命ずることに関する規定
・テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定
・通信費などの負担に関する規定

就業規則変更後にすべきこと

・従業員代表者の意見書を添付して、所轄労働基準監督署に届出する
・従業員全員に変更内容を周知する

給与項目の記載例

「在宅勤務者の給与については、就業規則第〇条の定めるところによる。前項の規定にかかわらず、在宅勤務が週4日以上の場合の通勤手当については、毎月定額の通勤手当は支給せず、実際に通勤に要する往復運賃の実費を給与支給日に支給するものとする。」

上記は、出社した日にかかった交通費の実額を支給するケース。在宅勤務の日数を週単位ではなく、月単位で記載することも可能です。

はじめて就業規則を作成・変更する際は、厚生労働省の「テレワークモデル就業規則」を参考にしてみてください。

厚生労働省:https://www.tw-sodan.jp/dl_pdf/16.pdf

テレワークでも労災は認定される

労災とは「労災保険」の略称。ケガや病気など、業務上の災害に対して、働く人の生活を保障する社会保険制度のひとつです。テレワークにおいても、状況や原因によっては、通常勤務の場合と同様に保険給付を受けることができます。

労災保険の判断基準は2つ。

業務遂行性

労働者が契約に基づいて事業主の支配下で就業している状態であること。

業務起因性

業務と災害との間に一定の因果関係があること。

自宅など、事業主の管理下を離れて業務をおこなっていた場合でも、事業主の支配下にあることには変わりないため、業務遂行性は認められます。

労災が認定された事例

自宅で所定労働時間にパソコン業務をおこなっていた。トイレに行くために作業場所を離れ、ふたたび作業場所のイスに座ろうとしたところ転倒してしまった。

この事案では、私的ではなく、業務に付随する行為に起因して災害が発生しているため、業務災害として認められました。

「業務上」であるかが判断ポイントとなるため、業務が原因での災害の場合は認定されますが、私的行為が原因での災害の場合は、労災の対象になりません。

まとめ

今回は、テレワーク中の交通費と労災についてご紹介しました。

交通費に関しては、あらかじめ勤務形態に応じた対応を決めておくことが重要。また、必要に応じてシステムの導入も検討してみてください。

労災に関しては、従業員から質問を受けることも多いと思います。すぐに正しい回答ができるよう、しっかりと学んでおきましょう。

この記事を書いた人

上條真由美
上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌、テレビ情報誌の編集、求人サイトのライター、ディレクターを経て独立。幅広いジャンルで取材や執筆を行なっている。肉食、ビール党、猫背。最近は落語がブーム。写真は友人とのタイ旅行にて。

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